米シスコは2009年4月10日(米国時間)、米ソフト会社のタイダルソフトウェアを買収すると発表した。タイダルはジョブの自動運用ソフトやアプリケーションの性能監視ソフトを開発・販売する非公開企業。シスコは買収によりデータセンター戦略を強化する。

 シスコは「Unified Computing」と呼ぶ構想の下、データセンター構築・運用に必要な機能全般を統合した製品開発を推進。ネットワーク機器メーカーという立場からの脱皮を目指している。3月16日には第一弾となるサーバー製品を発表(関連記事1)、国内でもこの4月7日に市場投入を発表した(関連記事2)。タイダル買収は、こうしたデータセンター戦略の一環である。

 「今やネットワークは、ミッションクリティカルなアプリケーションを管理・維持するための基盤になった。タイダルの買収によって、シスコは業務アプリケーションの性能を最適化し、サーバーからネットワーク、デスクトップまで企業の業務全般の管理を最良の形で自動化できるようになる」。シスコでデータセンター事業を担当するゲイリー・ムーア上級副社長は、タイダル買収の意義をこう語った。

 シスコは買収契約の条件に基づき約1億500万ドルを現金で支払い、残留するタイダル社員に対してインセンティブを提供する。買収は米国の一般会計基準(GAAP)に基づき、シスコの2009年度第4四半期中に完了する見込み。買収が完了した時点で、タイダル社員をシスコのデータセンター事業部門に統合する。