米Verizon Wirelessはスペインと米国で現地時間2009年2月18日,次世代携帯電話向け通信技術Long Term Evolution(LTE)の商用サービスを米国で2010年に開始すると発表した。使用する周波数帯は,テレビ放送のデジタル完全移行で空く700MHz帯。米国の商用サービス立ち上げが完了した後,世界各地でLTE方式のネットワークを展開していく。

 LTEは,第3.5世代(3.5G)のHSDPAやHSUPAを発展させた通信技術。第4世代(4G)または第3.9世代(3.9G)に分類される。Verizon Wirelessの親会社である米Verizon Communicationsと英Vodafone Groupが策定した。OFDMA技術を採用しており,最大通信速度は下り100Mbps以上,上り50Mbps以上を目指す。国内ではNTTドコモが「Super 3G」という名称で取り組んでいる。

 Verizon Wirelessは,米国でLTEネットワークを初期展開する際の主要ベンダーとしてスウェーデンのEricssonとフランスのAlcatel-Lucentを選んだ。パケット・コア・ベンダーは米Starent Networks,IPマルチメディア・サブシステム(IMS)ネットワークの主要サプライヤはAlcatel-LucentおよびフィンランドNokia Siemens Networksとする。

 米国では,オークションで確保した700MHz帯を使ったLTEネットワークの試験運用を2009年夏に開始する(関連記事:米国の700MHz帯オークション,注目のCブロックはVerizonが落札Verizon,700MHz帯オークションの落札総額は93億6000万ドル)。既存の周波数帯を利用した実地試験では,下り50M~60Mbpsの通信速度を確認できた。ただし,実質的な平均下り通信速度は,商用サービス開始まで確定させないとしている(関連記事:VerizonとVodafoneなど,3.9G通信方式「LTE」の共同試験を2008年に開始)。

 なお,現行の第3世代(3G)商用サービスは今後10年間続ける予定。

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