ドイツのSAPは米国時間2008年7月21日,同社が100%所有する子会社TomorrowNowの事業を段階的に廃止する計画を発表した。同社は,2008年10月末までに完了させる予定。

 TomorrowNowは,米Oracleの「PeopleSoft」「JD Edwards」「Siebel」ファミリ製品などサードパーティ製アプリケーションのサポートおよびメンテナンス・サービスを提供する企業。SAPが2005年2月に買収した。現在,SAPは,TomorrowNowのサポートを受けている225社を超える顧客がスムーズにOracleのサポート・サービスや新しいサポート・オプションに移行できるように協力している。

 TomorrowNowは2007年3月22日,SAPと同社米国法人SAP America,50人のSAP従業員とともにOracleのソフトウエア・コードの不正入手にかかわったとして,Oracleに訴えられた(関連記事「Oracle,ソフトウエア・コードの不正入手でSAPを提訴」)。また,Oracleは同年6月に,「First Amended Complaint」と題する訴状を裁判所に提出し,著作権法違反と契約違反の申し立てを追加した(関連記事「Oracle,SAPに対する訴訟で『著作権法違反』と『契約違反』も追及」)。

 これに対し,SAPは同年7月3日,同社の子会社TomorrowNowが米Oracleの著作権物であるドキュメントなどを一部不正ダウンロードしたことを認め,「TomorrowNowにおいて,ソフトウエアの修正およびサポートに関するドキュメントの不適切なダウンロードがあったことを一部確認した」と回答(関連記事「SAP,子会社によるOracle著作権物の不正ダウンロードを認める)。TomorrowNowの経営体制の変更などを明らかにしていた。

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