米Microsoftは米国時間2008年6月17日,新たな検索技術センター(STC:Search Technology Center)を欧州に開設する計画を発表した。稼働開始は同社の2009会計年度(2008年7月~2009年6月)中を見込む。インターネット検索サービス「Live Search」に関する開発の推進と,欧州の検索および広告市場での地位確立を図る。

 新センターはグローバルなLive Search組織としての役割を担い,検索技術の強化に注力する。2005年10月に中国北京に開設したSTCのモデルにならい,地域に密着したインタラクティブな検索体験の提供を目指す。

 場所は未定だが,現在いくつかの候補地を検討中。エンジニアの人数を絞り,英国,フランス,ドイツなど複数の国に点在させる。同社Search, Portal and Advertising Group上級バイス・プレジデントのSatya Nadella氏は,「各地域のユーザーによって検索体験や期待する検索結果は異なるため,地域の優れた専門家を研究開発にあてることが重要だ」と説明する。

 同社Platforms and Services DivisionプレジデントのKevin Johnson氏によると,同社はディスプレイ広告関連のサービスを通じて欧州インターネット・ユーザーの68%にリーチしている。しかし,「検索市場においては,まだ目的とする地位を築いていない」(同氏)。

 なお,同社は昨年買収した米aQuantive(関連記事:Microsoft,オンライン・マーケティングのaQuantiveを約60億ドルで買収へ)の広告サービス「DRIVEpm」を欧州にも拡大する予定。2009会計年度にオランダ,ベルギー,スウェーデン,デンマーク,ノルウェー,フィンランドなどでの展開を見込んでおり,今回の欧州STCの建設は,これに沿った計画という。

 また同社は,ユーザーがLive Searchを通じて商品を購入した場合,小売り価格の何パーセントかをリベートとして現金で払い戻すキャッシュバック・プログラム「Live Search cashback」を5月に発表している(関連記事:Microsoft,「Live Search」利用者を対象にキャッシュバック・プログラムを開始)。

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