米Googleは,米Verizon Wirelessがオークションで落札した700MHz帯について,オープンなプラットフォーム構築に関する意見書を米連邦通信委員会(FCC)に提出した。米国時間2008年5月1日付の提出書類でGoogleは,「VerizonがCブロックの要件に準拠する用意があることを,FCCは確認するべきである」と記述している。

 698M~806MHzの周波数帯(通称700MHz帯)は現在テレビ放送に使われているが,2009年2月17日のデジタル放送への完全移行に伴って非使用となる。FCCは,このうち62MHz幅を5ブロック(A,B,C,D,E)に分割して,1月24日~3月19日にオークションを実施した。

 Verizonが落札したCブロックは(関連記事:米国の700MHz帯オークション,注目のCブロックはVerizonが落札),各種デバイスおよびアプリケーションへのよりオープンなプラットフォームを実装することが義務づけられている(関連記事:米連邦通信委員会が700MHz帯オークションのルール改定,Googleの意見を一部採用)。

 Googleは,VerizonがCブロックに最高値を付ける前に,口頭あるいは文書で「FCCは,すべての合法的アプリケーションをあらゆるデバイスでダウンロード可能にすることをラインセシに強制するべきではない」とする立場を示していたことを指摘。その後,最高値を入札した際のFCCへの書類でもこの意見を否定していないという。そのため,VerizonがCブロックへのアクセスに制限を設ける可能性があることをGoogleは懸念している。

 「ソフトウエア・アプリケーションの開発や,携帯電話の設計および製造には時間がかかるため,オープンなアクセスの要件を十分に満たす上での早急な(Cブロックの)ライセンス認定が不可欠である。現在,正しい方向性が定まっていなければ,FCCのポリシーは果たされず,オープンなCブロックの展開は立ち消えになってしまうだろう」(Google)

[FCCへの意見書(PDF書類)]