欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)はベルギーで現地時間2008年3月28日,フィンランドNokiaによる米NAVTEQの買収計画について,欧州合併規制にもとづく本格的な調査を開始すると発表した。最終的な結論は8月8日までに出す予定。

 NAVTEQはナビゲーション・システム向けデジタル地図データを提供する企業。ECによると,欧州と北米の全域をカバーするナビ用地図データのプロバイダは,NAVTEQとオランダTele Atlasの2社しか存在しないという。買収計画の一次調査を終えたECは,市場シェア約4割を占める世界最大の携帯電話機メーカーであるNokiaによるNAVTEQの買収で,欧州経済地域(EEA)全体または一部地域の企業競争が著しく妨げられかねないとの懸念を表明している(関連記事:2007年の世界携帯電話市場は16%成長,新興市場が牽引)。

 NokiaはNAVTEQを約81億ドルで買収して地図/ナビゲーション技術の専門家,顧客基盤,地図データ/技術プラットフォームなどを取得し,携帯端末向け位置情報サービスを拡充する計画。NAVTEQは,自動車用ナビゲーション・システム,モバイル・ナビゲーション・システム,インターネット・ベースのマッピング・アプリケーションなどに地図データを提供している(関連記事:Nokia,地図データ・サービスのNAVTEQを81億ドルで買収へ)。

 米メディア(New York Times)によると,米連邦取引委員会(FTC)は2007年12月にNokiaのNAVTEQ買収を承認している。

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