米Googleは米国時間11月30日に,米連邦通信委員会(FCC)の無線周波数帯オークションに参加すると正式発表した。FCCは2008年1月24日より698M~806MHzの周波数帯(通称700MHz帯)の競売を実施する予定である。

 700MHz帯は現在テレビ放送に使われているが,2009年2月17日のデジタル放送への完全移行にともなって未使用となる。オークションにかけるのは,このうち62MHz幅。

 同オークションに関しては,GoogleがFCCに対して「消費者の利益を優先するため」のルールを採用するよう要求する文書を7月9日付けで提出し,FCCがGoogleの一部意見を取り入れたかたちで7月31日にルール改訂を発表した。同ルールでは,746M~757MHzおよび776M~787MHz(合計22MHz幅)で各種デバイスおよびアプリケーションへのよりオープンなプラットフォームを実装するよう求めている(関連記事:米連邦通信委員会が700MHz帯オークションのルール改定,Googleの意見を一部採用)。

 なおGoogleは,FCC会長のKevin Martin氏に宛てた7月20日付けの書簡で,FCCがGoogleの要請する主要な4条件すべてを受け入れるなら,FCCが提示している最低競売価格の46億ドルを用意する意向があると,オークション参加の意思を示していた(関連記事:Google,FCCの700MHz帯オークションへの参加意志を明らかに)。

 Googleは同オークションで,使用する端末やアプリケーションをユーザーが自由に選べるようにすることを義務づけられている「Cブロック」に入札する意向である。12月3日に手続きの書類をFCCに提出する予定。

 FCCは,すべての申込み企業を検討したのち,12月半ばに入札者リストを公開し,1月24日にオークションを開始する。多くの専門家は3月にすべてのオークションが完了するとみている。

 ちなみにGoogleは11月5日に,オープンなモバイル・プラットフォーム「Android」の開発に取り組む団体「Open Handset Alliance」の立ち上げを発表している(関連記事:Google,モバイル・プラットフォーム「Android」の開発に向け33社と提携)。また11月27日には,米Verizon Wirelessが自社の米国内携帯電話ネットワークで任意の端末およびソフトウエアを利用できるようにする計画を明らかにした(関連記事:Verizon Wirelessが携帯電話網をオープン化,任意の端末/ソフトを利用可能に)。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]