写真1●新たに出荷開始したXeon5400番台
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写真2●インテルの吉田和正共同社長
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 インテルは11月13日、サーバー/ワークステーション向けクアッドコア・プロセサ「Xeon 5400番台」の出荷を順次開始した(写真1)。最大の特徴は、半導体の製造プロセス・ルールを従来の65nmから45nmに微細化したこと。これにより処理性能の向上と消費電力の削減を狙った。前世代のプロセサ「Xeon 5300番台」と比較して、電力当たりの処理性能を最大38%改善したという。

 5400番台は動作周波数(2G~3.2GHz)に応じて12種類用意する。ハイエンドの製品は「X5482」で、3.2GHzで動作。定格消費電力は150W。価格は15万 610円(1000個受注時)である。出荷は今日から45日以内としている。5400番台ではシステム・バスの速度を改善し、最大で1600MHzにした。以前の5300番台は最大1333MHzだった。L2キャッシュについても8MBから12MBに増加させた(Xeon 5300番台の記事)。

 製造プロセス・ルールを65nmから45nmに微細化するに当たり、インテルはトランジスタの構造を変え、素材として高誘電率(High-k)ゲート絶縁膜とメタル・ゲートを新たに導入。これにより、微細化するに当たって課題となっていたリーク電流(電流漏れ)の問題を解決した。消費電力も削減できる(新素材についての関連記事)。

 併せて、インテルのプロセサ群に適用してきた「Coreマイクロアーキテクチャ」に改良を加えた。科学技術計算や画像処理分野の命令を拡張した命令セット「SSE4」を実装した。これにより「科学技術計算のアプリケーションではXeon 5300番台に対して最大50%の処理性能向上が見込める」(インテルの及川芳雄技術本部長)という。

 インテルの吉田和正共同社長は「(米)インテルの共同創設者であるゴードン・ムーアによれば、(今回の微細化は)過去40年間のトランジスタの歴史において最大の進歩とのこと。このような新技術を盛り込んだプロセサで、様々な価値を提供したい」と語る(写真2)。トランジスタ数は最大約8億2000万個で、65nmに基づく前世代プロセサに対して約2倍になるという。

 今回の新プロセサ群はインテルが開発コード名として「Penryn(ペンリン)」と呼んでいたもの(Penrynの関連記事)。インテルはこの日、Xeon 5400番台と共に、廉価版となるデュアルコアの「Xeon 5200番台」、デスクトップ・パソコン向けクアッドコア・プロセサである「Core 2 Extreme QX9650」も発表した。5200番台は45日以内に出荷開始する。Core 2 Extremeは13日から出荷を開始した。