45nmプロセスを適用した「Penryn」の試作ウエハー
45nmプロセスを適用した「Penryn」の試作ウエハー
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45nmプロセスで「Penryn」と「Silverthorne」を展開
45nmプロセスで「Penryn」と「Silverthorne」を展開
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「Penryn」の製品計画の概要。サーバ機やデスクトップ機向けに,2コア品と4コア品をそれぞれ展開する。ノート・パソコンなどモバイル市場向けには2コア品を展開する。
「Penryn」の製品計画の概要。サーバ機やデスクトップ機向けに,2コア品と4コア品をそれぞれ展開する。ノート・パソコンなどモバイル市場向けには2コア品を展開する。
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45nmプロセスに高誘電率(high-k)ゲート絶縁膜とメタル・ゲートを新たに導入した。
45nmプロセスに高誘電率(high-k)ゲート絶縁膜とメタル・ゲートを新たに導入した。
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現在,4工場で45nmプロセスの生産ラインの立ち上げを進めている。
現在,4工場で45nmプロセスの生産ラインの立ち上げを進めている。
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 米Intel Corp.は,45nm世代のプロセス技術を適用したマイクロプロセサ製品ファミリ「Penryn」(開発コード名)の試作チップや製品化計画の概要を,2007年4月17日から中国北京で開催中のIDF Spring 2007で公開した。半導体プロセス技術の牽引役を自負する同社にとって,45nm世代の実用化一番乗りは競合には譲れないところだ。今回のIDFでは,こうした同社の意気込みが随所に現れている。例えば45nmプロセスを適用した低消費電力版マイクロプロセサ「Silverthorne」(開発コード名)を,2008年に超小型パソコン・プラットフォーム「UMPC(Ultra Mobile PC)」向けに投入する方針を明らかにした。

 「45nm世代の実用化は歴史的な意味を持つ。これまでのような単なる微細化ではなく,トランジスタ構造を一新したからだ」(Intel社)。Intel社は今回,45nmプロセスに高誘電率(high-k)ゲート絶縁膜とメタル・ゲートを新たに導入する。これらの新材料導入の意義を,講演では繰り返し強調した。例えば65nm世代のプロセス技術に比べてスイッチング時の消費電力が30%低減するほか,リーク電流の抑制につながるとする。集積度とスイッチング速度はそれぞれ2倍に高まる。Intel社はこれから製品化する45nm世代の製品すべてに,これらの新トランジスタ技術を適用する。

 基調講演では,45nmの工場の立ち上げ状況についても言及した。2007年下半期から米国オレゴン州の「Fab D1D」とアリゾナ州の「Fab 32」の稼働を始める。さらに2008年上半期にはイスラエルの「Fab 28」,2008年下半期にはメキシコの「Fab 11X」をそれぞれ稼働するという。