写真1●基調講演に臨む米インテルのポール・オッテリーニ社長兼CEO
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写真2●45nmの製造プロセス・ルールを採用する製品群では,ノートPC,デスクトップPC,サーバー/ワークステーション向けに加え,小型モバイル機向けや,ハイパフォーマンス・コンピューティング向けのラインナップも用意する
写真2●45nmの製造プロセス・ルールを採用する製品群では,ノートPC,デスクトップPC,サーバー/ワークステーション向けに加え,小型モバイル機向けや,ハイパフォーマンス・コンピューティング向けのラインナップも用意する
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写真3●2008年後半には新マイクロアーキテクチャ「Nehalem(開発コード名:ネハーレム)」を採用したプロセッサ群の量産に入る。新たにインターコネクト技術の「QuickPath」を採用する
写真3●2008年後半には新マイクロアーキテクチャ「Nehalem(開発コード名:ネハーレム)」を採用したプロセッサ群の量産に入る。新たにインターコネクト技術の「QuickPath」を採用する
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写真4●講演では4コアのNehalemプロセッサを2機搭載した実機の稼働デモを見せた
写真4●講演では4コアのNehalemプロセッサを2機搭載した実機の稼働デモを見せた
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 米インテルは9月18日(米国時間),次期プロセッサ群「Penryn」を11月から順次出荷すると発表した。米サンフランシスコで開催中の技術者会議「IDF(Intel Developer Forum)」で,ポール・オッテリーニ社長兼CEO(最高経営責任者)が明らかにした(写真1)。

 Penrynは,インテルの現行プロセッサ群に適用している「Coreマイクロアーキテクチャ」をベースに,改良を加えたもの。製造プロセス・ルールを現在の65nmから45nmに微細化することで,処理性能の向上と低消費電力化を実現する。オッテリーニ氏は「Penrynは従来のプロセッサに比べて,消費電力を抑えつつも性能を20%改善できる」とアピールした。年内に15種類のプロセッサ製品を,2008年第1四半期には20種類のプロセッサ製品を出荷する計画だ。

 45nmの製造プロセス・ルールを採用するプロセッサとしては今後,ノートPC向け,デスクトップPC向け,サーバー/ワークステーション向けという従来の三つのラインアップに加え,UMPC(Ultra-Mobile PC)など小型モバイル機向けやハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)向けのラインナップも用意する(写真2)。小型モバイル機向けのプロセッサの開発コード名は「Silverthorne」(関連記事)。「45nmの製造プロセス・ルールを使えばダイのサイズを縮小化できるので,小型モバイル機器向けのプロセッサ開発に適している」(オッテリーニ氏)。Silverthroneの出荷は2008年に入ってから。

 一方,2008年後半には新マイクロアーキテクチャ「Nehalem(開発コード名:ネハーレム)」を採用したプロセッサ群の量産を開始する。Nehalemの製造プロセス・ルールにはPenrynと同じ45nmを採用する。アーキテクチャ面での最大のポイントは,インターコネクト技術の「QuickPath」を備え,プロセッサやI/O間の接続を高速化すること。これによりシステム全体の処理性能アップを狙う(写真3)。

 Nehalemでは従来チップセット側に置いていたメモリー・コントローラをプロセッサ内に搭載し,いっそうの処理高速化を図る。プロセッサの設計にはモジュラー方式を採用し,コア数や各種の機能を市場の要求に合わせて変更しやすくする。

 また,一つのコアで二つのスレッドを同時に処理する機構を搭載する。4コアであれば8つのスレッドを実行できる。Nehalemシリーズでは従来の1コア,2コア(デュアルコア),4コア(クアッドコア)に加えて新たに8コアの製品も用意するので,最大16スレッドを同時実行できることになる。

 18日午後のパット・ゲルシンガー デジタル・エンタープライズ・グループ上席副社長による講演では,4コアのNehalemプロセッサを2機搭載したマシンを稼働させ,16のスレッドを同時に処理するデモを披露した(写真4)。

 インテルはさらに製造プロセス・ルールの微細化を進め,「2009年には世界で初めて32nmに基づくプロセッサの生産を開始する」(オッテリーニ氏)予定。すでにインテルは試作チップの提供を始めているという。