写真●日本郵政の西川善文 取締役兼代表執行役社長
写真●日本郵政の西川善文 取締役兼代表執行役社長
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 日本郵政の西川善文 取締役兼代表執行役社長は、11月5日に開いた記者会見で「日本郵政グループにおいて、10月1日から5日まで発生した顧客情報管理システムのトラブル(関連記事)、10月15日に発生した年金振込障害(関連記事)は、いずれも必要なキャパシティの想定を誤ったことが原因だ」と述べた。

 顧客情報管理システムについて西川社長は「アクセス集中はあらかじめ予想されていたが、ピーク時の想定が甘かった。もう少しシステムに余裕を持たせるべきだった」と語った。年金振込システムに関しては「これまでの実績では、振込データは11ケタ(999億9999万9999円)の範囲に収まっていた。今回12ケタに当たる1100億円の支払いがあったことで不具合が発生してしまった。こちらも想定の甘さが原因だ」(西川社長)とした。

 いずれの問題もプログラムの修正など改善処置を講じたため、現在システムは正常に動作している。西川社長は「今後もシステムのキャパシティに対しては十分な注意が必要だ。ただ、キャパシティを拡大しすぎると無駄なコストが発生してしまうので、闇雲に増やせばいいというものではない。適切なシステムの拡張ができるよう検討していく」と語った。

 法人向け郵便サービス「後納郵便」の料金請求トラブル(関連記事)に関して西川社長は「トラブルがいろいろな場所で発生したことを考えると、従業員への研修が不足していたと言わざるを得ない。再度研修を徹底する」と述べた。

 総合人事情報システムにおけるデータ移行漏れにより、一部社員に給料の支払いミスが生じた問題(関連記事)については、支払いに誤りのあった社員のデータを補正した上で11月の給与で精算する。