米Microsoftは8月第2週,「Windows XP Service Pack 3(SP3)」および「Windows Vista Service Pack 1(SP1)」の早期ベータ版を,密かにごく限られた人数の外部テスターへ提供した。Microsoftは以前から,「Windows Vista SP1の公開ベータ版を2007年末までにリリースする」としていた。

 Windows XP SP3は,当然Windows Vista SP1よりも待ち望まれているサービス・パックだ。Windows XPの最新サービス・パックは,3年も前にリリースされた「SP2」である。Windows XPにはSP2リリース後も数百件の修正パッチが追加され,特に企業ユーザーにとって,管理が難しく手間暇のかかかる古くさいOSになってしまった。ただし,Windows XP SP3はWindows Vista SP1と違ってバグとセキュリティ問題だけを修正し,新機能を追加しない。Microsoftによると,Windows XP SP3のリリース予定は2008年前半という。

 一方Windows Vista SP1は,エンドユーザーに役立つ小さな新機能を提供するだけなのに,様々な思惑の対象となってしまった。MicrosoftはWindows Vista SP1で,カーネルのアップデート,セキュリティ面の変更,「インスタント・サーチ」機能の仕様変更しか行わない(関連記事:Microsoft,Googleの申し立てに応じて「Windows Vista SP1」のリリースを前倒しへ)。Windows Vista SP1のリリースは,Windows XP SP3と同じく2008年前半の予定だ(関連記事:Microsoft,「Windows Vista SP1」のうわさを否定)。

 なお,Windows Vista SP1が企業導入の増加に寄与することはないだろう。これまでに集めたデータから判断すると,大企業におけるWindows Vistaの導入状況は,従来のWindowsと非常に似通っている。規模の大きな企業は,Microsoftの作ったスケジュールではなく,自分たちの計画に沿ってOSをアップグレードするものなのだ。