「『Windows Vista』用サービス・パック『Service Pack 1(SP1)』は間もなくリリースされる」といった注目度の高い一連のうわさがこの数週間,様々なWindowsニュース/うわさサイト,ブログで流れた。この状況に驚いた米Microsoftは7月第3週,すべてのうわさを否定するという前例のない対応をした。

 MicrosoftはこれまでWindows Vista SP1の公開ベータ版を2007年末までにリリースする計画だったが,うわさによると,ベータ版は7月,最終版は2007年末に出るという(関連記事:Microsoft,Googleの申し立てに応じて「Windows Vista SP1」のリリースを前倒しへ)。Microsoft ConnectのWebサイトで「Windows Vista SP1 Windows Driver Kit(WDK)」のダウンロードが報告されたことも,希望的観測と一連のニュースに火を付けた。

 明らかになった通り,この情報はいずれも完全に間違っている。最初に報道したBink.nuによると,Microsoftの広報担当者は「Windows Vista用サービス・パックのリリースを予定しており,現在のところベータ版を年内に出せると思う」と述べた。「サービス・パックは,以前から従っているソフトウエア・ライフサイクルの一環である。『製品を改良し続ける』という約束を果たすために,当社の全製品に対して何かを実行するものだ。標準的な手順では,早期テスト用ビルドを提供することで,顧客からのフィードバックを取り込み,製品の全体的な品質向上を図る」(Microsoftの広報担当者)

 実際の出来事を示そう。Microsoftは以前,Windows Vista SP1の公開ベータ版を2007年終わりごろ,最終版を2008年にリリースするというスケジュールを発表し,今のところ予定通り作業を進めている。Microsoftはこの発表後,一度も計画を変更していない。ただし,外部テスターの一部に対しては過去のサービス・パック同様,これらリリースより前に早期プレスリリース版を提供する。この早期リリースでWindows Vista SP1の技術ベータ・プロセスが始まるわけではないし,当然ベータ版の公開とされるわけでもない。

 Windows Vista SP1 WDKについては,単なる誤記だった。Microsoftが実際に掲載したものは,サーバーOS「Windows Server 2003 R2」の後継版である「Windows Server 2008」用のWDKであった。