写真1●台湾ASUSTeK ComputerのIEEE 802.11n対応無線LAN AP「WL-550abgn」
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 台湾・台北市で開催中の「COMPUTEX TAIPEI 2007」では,台湾ASUSTeK Computerや台湾GIGABYTE Technologyなど日本ではパソコンのマザーボード・メーカーとして知られる各社が,IEEE 802.11nのドラフト2.0に準拠した(関連記事)無線LANアクセス・ポイント(AP)を出展している。

 いずれの機種もMIMO(multiple-input multiple output)と呼ぶ空間多重技術や40MHzの帯域幅を使うことなどで,最大300Mビット/秒の伝送速度をうたう。

 ASUSTeK Computerが展示しているのは,2.4GHz帯および5GHz帯(関連記事)で利用できる「WL-550abgn」(写真1)。IEEE 802.11a/b/gにも対応する。米Broadcom製のチップを採用した。2.4GHzと5GHzのいずれの周波数帯でも,20MHz幅と40MHz幅の両方が使える。価格は200米ドル程度を想定し,2007年第4四半期中に出荷するとしている。

日本円で1万円を切る11n対応APも展示


写真2●80~90米ドルという低価格の台湾GIGABYTE Technology製802.11n対応無線LANAP「GN-BR30N-RH」(写真左)。右は802.11n対応のUSB接続型の無線LAN子機
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 同じく802.11nのドラフト2.0に準拠した無線LAN APを展示しているのはGIGABYTE Technology。同社の「GN-BR30N-RH」(写真2左)は,市場価格が「80~90米ドル」(ブースの説明員)の11n対応無線LAN AP。既に出荷中である。ただし5GHz帯はサポートせず,2.4GHz帯だけに対応。帯域幅は20MHzと40MHzの両方が利用できる。主に米国や欧州市場で販売する。

 また同社は,802.11nに対応したUSB接続型およびPCI Expressカード型無線LAN子機を7月中旬に出荷する予定だ。


写真3●OEM(相手先ブランドによる生産)提供が中心の台湾Gemtek Technology製802.11n対応無線LAN AP
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 このGN-BR30N-RHのように安価な802.11n対応無線LAN APへの搭載が進んでいるのが台湾のRalink Technology製チップである。すでに昨年から搭載製品が登場しており,「ローコストのため採用が進んでいる」(無線LAN機器のOEM提供を手がける台湾Gemtek Technologyの担当者)という。

 また,製品のOEM(相手先ブランドによる生産)提供を中心に展開している台湾Gemtek Technologyも,802.11nドラフト2.0準拠の製品を出展している(写真3)。同社の担当者は「米Broadcom,米Atheros Communications,米Marvell Semiconductor,台湾Ralink Technologyの各802.11n対応チップのソリューションを用意している」と説明。日本メーカー数社に対しても,既にOEM提供しているという。