2007年3月期第2四半期(2006年4月~9月)の決算を説明するソフトバンクの孫正義・代表取締役社長
2007年3月期第2四半期(2006年4月~9月)の決算を説明するソフトバンクの孫正義・代表取締役社長
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 ソフトバンクは11月8日,2007年3月期(2006年4月~2007年3月)の中間決算説明会を開催,ソフトバンクモバイル(旧ボーダフォン)の収益が加わったことで,「創業以来最大の利益水準を達成することができた」(孫正義・代表取締役社長,写真1)と説明した。売上高は対前年同期比114.3%増の1兆1201億7300万円。また,営業利益,経常利益はそれぞれ1125億5200万円,626億9000万円で前年同期を上回り,当期純利益も144億3900万円と黒字化を達成した。前年同期は41億8200万の赤字だった。

 売上高の内訳は移動通信事業(ソフトバンクモバイル)が5818億円と全体の半分以上を占めた。ソフトウエアの流通などを含めたイーコマース事業が1170億円,固定通信事業(ソフトバンクテレコム)が1662億円,Yahoo! BBなどのブロードバンド事業は1274億円。前年同期と比べてイーコマース事業の売り上げは下がっているが,「ソフトウエアの流通事業等で売上高の計上方法が変わったため」(孫社長)と説明した。

11月6日は過去最大の件数を処理,システム対応の峠は越えた

 冒頭,孫社長は10月28日,29日のシステム障害によるMNPの受け付け停止(関連記事1関連記事2)や“0円”の広告表示における説明不足に対して「ご心配,ご迷惑をおかけしたことを心苦しく思っている」と神妙な面持ちでコメント。「(MNPの)立ち上げ時の混乱に対して深く反省している。すべて私自身の責任であると痛感している」と述べた。

 今後,トラブルの再発懸念があるかとの質問に対し孫社長は,「(11月)6日はそれまで停止していた6日分の変更処理など,過去最大の件数をこなすことができた。峠は越えられたと思っている」と,再発の可能性が低いことを強調。今後もシステムの強化を継続していくとし,「複数のサーバーで基幹システムの負荷を減らしていく。プライドにかけてがんばっていきたい」と断言した。

 説明会では同日TCA(電気通信事業者協会)が発表した10月末時点の携帯電話・PHS契約数(関連記事)についても述べた。ソフトバンクモバイルの10月末時点の契約数は2万3800の純増で,9月末時点とほぼ同数の横ばい。孫社長は「事前予測では旧ボーダフォンは草刈り場になるのではと予想されていた。それに対してトータルでは純減ではなく純増している。善戦しているとも言え,結果的には危機的状況にはならなかった」とした。

 また,11月1日~7日までの純増数が2万8000だったことも公表。その理由として孫社長は「新スーパーボーナスでは加入後2カ月間基本料無料などの割引が付く。月初の1日,2日は通常よりも多くの顧客が入ってくると考えられる」と説明した。なお11月1日~7日の純増数2万8000のうち,5000~6000契約がプリペイドの契約であることも明らかにした。