161話から長男こうしろうとともにDelphiの勉強を始めた。166話ではディズニーシーの山の噴火のごとく,勇ましくタブブラウザの作成を開始したのだが,その後,次男かずのExcel/VBAによるカレンダー作りに寄り道したかと思うと,私とかずはRoboDesignerにはまり「はじめてのハンダ付け♪」などと歌っている内に回は174話へと進んで行った。

 さて,Delphiはどこへ行ったのか。実は166話で決めた仕様に基づき,少しずつ進行しているのである。もっとも高校生になっても「今日も生徒会の仕事で学校行くわ」とか「文化祭の準備せんなん」と課外活動好きのこうしろうの秋は中学の時にまして忙しくて,なかなか時間が取れないので,月一程度のスローペースである。はじまりはいつも「こないだ,どこまでやったけ?」,「えっーと」で時間を食ってしまいテンポが悪い。だから,プログラムが形になっていくときの高揚感が味わえない。

 タブブラウザを作るにあたっては「Delphi はじめの一歩」というページを参考にさせてもらっている。CoolBarの上にToolBarを載せて,ToolBarのボタン新規作成でToolButtonを作っていくテクニックなどが勉強になる。

 ブラウザの作成といっても,Internet Explorerの中核部品であるMicrosoft Internet ControlsがDelphiでも使えるので,部品をどんどん貼っていきコードでコントロールするというWindowsらしい開発方法になる。Delphi6だから,時期的にVisual Basic 6と比較するのが適当なのだろうが,VBに比べると,いかにもオブジェクト指向である。
 例えば,166話にToolButtonのCaptionプロパティに「戻る」などの文字列を入力しても表示されないと書いたが,ToolButton自体にはCaptionの表示/非表示をコントロールするプロパティはなく,ToolBarのShowCaptionプロパティをTrueにすると文字が表示されるようになった。

 「ToolButtonはToolBarの属性を継承しているんだ」と説明するほど理解したわけでもないので,こうしろうの横でぼそっとつぶやく。

 私はわかりやすくしようとCaptionをすべて日本語にしている。昔,「タケちゃんマン」でE.T.のパロディの「いーてふ」が空を指差し「おうち」と言っていたから「Homeはおうちなのだ」とふざけてみるがこうしろうの反応は特にない(もっとも,20年以上も前のことを言っている親父には反応のしようがないだろが)。

 MDIインターフェイスで子ウィンドウを新規作成し,親ウィンドウと関連付ける方法やタブコントロールと関連付ける方法を勉強し,なんとかそれらしくなってきた。

 くやしいことに新しいことを調べるスピードはこうしろうの方が速い(いや,きっとパソコンの性能差だ)。でもお互いに,相手がどこで混乱しているのかわからない。やっぱり,高校生の息子と43才の父がともに学ぼうというのは無理だったのかと,バグ取りの途上で少し弱気になっている。

 データベースやPHPによるWebアプリ作成などといった自分の得意なフィールドに引き込んで,「さあ,覚えんかい,こりゃあ」と親父パワーを全開にしたほうが,気持ちいいだろうな。