富山県は台風が直撃することもなく,大きな地震もなく,地形的に能登半島や立山連峰に守られ安全なところである。ところがこの秋は様子が違う。猛暑のせいか,はたまた台風のせいか熊がたくさん出没する。山に食べ物がないのはかわいそうだが,熊に襲われ大ケガをおった人が何人もいる。

 山のほうのことだとタカをくくっていたのだが(もっとも富山県の場合,どこからでも車で30分も走れば山に行けるのだが),我が家から車で15分ぐらいの平野部にも,どこから迷いこんだのか小熊が出た。小熊自体は生後2,3カ月のベイビーだったのだが「近くに親熊がいるのでは」と緊張が走ったようだ。我が家の近くまで来ることはないにしても,朝夕に出かける時は気をつけなければいけない。鉤のような熊の爪は本当に恐い。

 10月17日 IRセンサーに,赤外線発光ダイオードをハンダ付けしたアクティブセンサーを取り付けたロボットをMindStormsのテストシートの上で走らせてみた。

 中間テスト前で,しおらしく自室で勉強をしていたかずが「どうけ,うまくいくけ?」と様子を見に来る。ロボットは黒い線の上を,たまにコースアウトすることもあるが,ほとんどうまくトレースしていった。

 ロボットのプログラムはジャパンロボテックのサポートページで公開されている「ライントレース用ロボット製作のヒント」に載っているものとほぼ同じである。ただ,アクティブセンサーの出力が少し大きいような気がしたので,しきい値が250以下なら,黒い線の上にいると判断させるようにした。

 黒い線の上にいると判断したときは,モーター1を0.1秒間前進させ,0.1秒間止める。白い部分の上にいると感じたときは,同じようにモーター2を0.1秒間前進させ,0.1秒間止める。この動きを繰り返すことで,ロボットはまるで匂いをかぐように,黒い線をたどっていく。

 翌日,一つの疑問がわいた。「赤外線発光ダイオードを付けていないパッシブセンサーだと,黒い線をトレースできないのか,アクティブセンサーとどれだけ違うのか?」

 アクティブセンサーの隣にパッシブセンサーを付けて,同じプログラムで試してみた。ユニバーサルプレートは穴だらけだから,どこにでも部品を付けられるので便利だ。  パッシブセンサーでも,黒い線の匂いをかぐように走るのだが,集中力のない犬のように気楽にコースをはずれてしまう。アクティブセンサーに比べると,コースアウトしやすいようだ。

 今度はかずと,もっと本格的なロボットを作ってみよう。