こうしろうの生活信条は「節約」のはずだった。中学生のときは,もったいないと決して塾などは行かず,問題集や参考書も3年間トータルで数千円しか買っていない。勉強はなるべくで学校で済ませ,家では勉強時間も節約していた。「節約生活のススメ」を愛読書にし,着るものも「ユニクロでいい」と言い続けていた。

 しかし,高校入学祝いに祖母にモバイルなPCを買ってもらったのを皮切りに(154話参照),堰を切ったようにデジタル機器を購入している。まず,高校生はみんな電子辞書を使っているからと,そのくせ決して電子辞書を買わずに,クリエTJ25 を親せきにもらった入学祝いで買った。ダウンロード販売で購入したクリエ用の国語辞典と英和辞典の請求書の宛名は残念ながら私だった。

 そして今回は,iPod miniを早々に手にいれた。7月24日の発売当日には銀座のアップルストアに長蛇の列ができていたらしいが,発売の数日前にAmazonで注文していたこうしろうのもとには,発売日の翌日に送られてきた。日頃,ネットと宅急便の高速さの恩恵にあずかっているにもかかわらず,「富山県なのに,どうしてそんな早く」とつい思ってしまう私は,やはり田舎もんなのである。「AmazonはAppleにも強いんだ」とこうしろうと二人で感心した。

 iPod miniはお年玉貯金で買ったので,父のフトコロは痛まないのであるが,ちょっと物欲に走りすぎていないか?スタパ斎藤氏の物欲番長みたいだぞ。節約生活はどうしたんだ,と思わず口に出る。

 「MDも持たんし・・・」とこうしろう。そういえば,コンポもいとこのお下がりに,私が若い頃に買ったBoseのスピーカをつないで使っている。どうも我が家は,デジタル化された電気製品だけが充実していく傾向にある。電話は20年近く前のものを平気で使っているし,FAXもない。我が家のアナログ機器は進化を止めている。

 iPod miniは重さ103gの筐体に1000曲録音できるハードディスクを内蔵し,iTunesというソフトウエアでPC から曲をロードして使う。スケジュールやTODOを管理するソフトウエアなどを内蔵し,Windowsでは定番のゲーム,ソリティアで遊ぶこともできる。操作は指でこすって,スクロールさせ,ボタンを押して選択という具合だ。

 当然のごとく,物撮りセット(159話参照)を持ち出し撮影する。

 まずは箱。いかにもアップルらしい色合いとデザインだ。

 これが本体。まだ充電をしていないのでスイッチはオフだ。後ろに消しゴムを立てて,人という字をつくりiPod miniを立たせている。それだけ軽量なのだ。

 こうしろうによるとFireWireとUSBのケーブルが付属し,FireWireを電源アダプタにつないで充電する方法とUSBでPCから充電する方法があるらしい。

 手に持つとフワッとした感じで,するりと手を抜けていきそうな気がする。日頃から手にあもりのないこうしろうに,思わず「ケース買え,ケース」と余計なことを口走った(富山弁講座 手にあもりない:手からよくものを落とすの意)。

 さて,肝心のDelphiによるタブ・ブラウザの開発であるが,MDIアプリケーションの作り方(MDI=マルチドキュメント・インタフェースは,アプリケーションのウィンドウの中に複数の文書ウィンドウを表示する方式)やWebBrowserコントロールの勉強をしながら,「新しい子ウィンドウを開くボタンが必要」とか「EditコントロールにURLを入力して,エンターを押したらアクティブな子ウィンドウをそのアドレスに移動させる」などと,こうしろうと仕様決めをしている段階である。