もう1年も前のことであるが,Jin Satoさんのサイト『MindStorms情報局』を見たこうしろうがその中の「お気軽コンテスト - 障害物競走 -」に載っていたMindStormsの箱を乗り越えるロボットを作ろうとしていた。でも結局,うまくいかなかった(第38話39話41話あたりを参照)。

12月8日 MindStormsの仲間も増えたので,再度箱越えに挑戦してみたいとこうしろうが言い出した。



モーターもドロイドのマイクロスカウト本体を含めると4つある。今度はなんとかなるかもしれないと期待が持てる。しかし,この日は無限軌道車のキャタピラの部分を作っただけでおしまい。

12月15日 こうしろうはその移り気な性格をいかんなく発揮し「あまり,気が進まない」と言い出した。「なんか,他のものを作ろうか」と相談していたのだが,かずが「箱を乗り越えるロボットをどうしてもやりたい」と言い張ったので,「じゃ,かずがプロジェクト・リーダーということで」とこうしろうが折れ,箱越えロボット作成プロジェクト再開!

 しかし,この新プロジェクト・リーダーは決してプロジェクトをリードしない。無言の時間が流れる。口から生まれてきた兄と妹にはさまれたかずは,おしゃべりより体や手を動かす方が得意だ。「なんか手伝うことあったら言ってね」とこうしろうと私は読書タイムに入ってしまった。こうしろうは『ビジネスマンのための「個性」育成術』黒木靖夫著を,私は『ハリー・ポッターと秘密の部屋』を読んでいる(逆じゃないか!)。いやー,さすがハリー・ポッターは面白い。でも,ストーリーの展開の仕方が最近のアメリカ映画みたいで昔の児童文学を知っている身には少し違和感が残る。しかしハリー・ポッターがなかったら,小学4年のかずがあんなに細かな字の分厚い本を読むことはなかっただろう。

 かずは一所懸命に箱越えの仕組みを考えているいるようだが,仕事は,はかどっていない。少し重苦しくなってきた空気を振り払おうと「さあ,俺ら部品でも作るか」と私とこうしろうはかずをアシストすべく部品製作を開始した。車を箱の上に乗せるためにモーターの回転を縦方向の運動に変える仕組みを私とこうしろうは考えた。



私の考えた仕組みは,上部のタイヤを持ち上げたまま進み,箱の上に来たらモーターを回転させタイヤを降ろすというものである。



箱の上に降ろすタイヤにもモーターを繋いで,ビューンと引っ張れば後ろの部分も上がってくれないかなという仕様である。「かず,アイデア浮かばなかったら,これで試してみれば」と声を掛けるが反応はない。

 こうしろうは,案の定脱線していた。縦方向に運動する仕組みがニワトリに変わっていた。



こうしろう作,ニワトリの「まさお」である。モーターの回転で首を上下させ水のみ場の水を飲む。なぜ,ニワトリが「まさお」なのか説明していると長くなるので割愛するが,我が家では数ヶ月前から,ニワトリは「まさお」に決まっている。

 「まさお」の動く様子を見て笑いあっている家族をよそに,かずはなかなかロボットが作れず,はがやしがっている(富山弁解説:「はがやしい」 はがゆい,くやしい,もどかしいなどの意味に使われる)。今にも泣き出しそうな様子である。こうしろうもMindStormsを始めたころは,こんな感じだったなあと懐かしく感じた。

 さて,今年はこれで最後です。一年間お読みいただき,ありがとうございました。良いお年をお迎えください。来年からは新しいネタもお送りする予定です。どうぞ新年もよろしくお願いします。