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インタビュー

なぜミログは解散に至ったのか、城口代表に聞く

ミログ 代表取締役
城口 洋平氏

2012/04/13 日経コンピュータ

 2012年4月2日、ITベンチャーのミログが会社の清算、解散を発表した(関連記事)。スマートフォンアプリの利用履歴を収集する同社の事業に「プライバシー侵害ではないか」との批判が集中したのが一因だった。約4億円の資金を調達した気鋭のベンチャーがなぜ解散に至ったのか。創業者である城口洋平代表取締役に聞いた。

(聞き手は、浅川 直輝=日経コンピュータ


会社の解散、清算を決めた理由は。

ミログ 代表取締役 城口 洋平氏
ミログ 代表取締役 城口 洋平氏

 ミログは、ユーザーの同意を得てAndroidアプリの利用履歴を収集・解析し、統計データの販売やターゲティング広告に生かす事業を軸としていました。プライバシー情報を扱う企業として、社会的信用を重視していました。

 ただ、2011年に公開したアプリに、ユーザーの同意を得る前にデータを収集、送信してしまうなどの致命的な瑕疵がありました。このため、ミログの社会的信用を失墜させてしまいました。

 事業の核である社会的信用が大きく傷ついた以上、同じ領域での事業再開は難しい、と判断しました。また、この事業で大きな資本を調達しているため、事業の大幅な変更は信義則に反します。

 会社の解散は、役員会や株主総会で熟議をした上で決定したものですが、解散に至ったのは私の力不足というほかありません。ご迷惑をおかけした皆様には、心からお詫び申し上げます。

ミログを起業した経緯を教えて下さい。

 大量のデータを解析する事業、今でいう「ビッグデータ」に興味がありました。私は大学の法学部に在籍しながら、情報処理系の授業を聴講していました。そこで知り合った友人と2009年4月に設立したのがミログです。

 当初は、B2Cではマイクロブログサイトを運営したほか、B2Bでは掲示板やSNSなどで不適切な発言を監視するセキュリティサービスを展開しました。いずれも、テキストから喜びや怒り、憎しみなどの感情を抽出する自然言語処理技術を応用したものです。

 2010年夏、セキュリティサービスを他社に譲渡した上で、新たな事業の軸を「Androidとビッグデータ」に絞りました。そこで注目したのが、Androidアプリに関する利用履歴です。

 ミログが目指していたのは、アプリ情報における米ニールセンや米アレクサ・インターネットのような調査会社です。ユーザーの同意を得た上で、Androidアプリのインストールや起動履歴などの情報を収集し、統計的に処理、加工します。こうした情報を、国内外の通信事業者など大手プラットフォーマーに販売することで、収益を得る考えでした。

 事業を始めてみると、国内企業のほか、中国や欧州の通信事業者からも引き合いがあり、取引の交渉をしていました。アプリケーションの取得や解析の技術について特許も申請しました。

なぜ、Androidアプリのインストールリストや起動履歴に注目したのでしょうか。

 アプリの利用履歴やインストール情報といった情報には、有用な情報が詰まっています。

 例えば通信事業者や端末メーカーにとっては、プリインストールするアプリの選別に役立つほか、端末の充電池の消耗を抑えたり、慢性的に不足する無線帯域を有効に活用したりする上での基礎データにもなります。

 特に、充電池の消耗はスマートフォンにとって深刻です。背後で動くアプリの情報を収集することで、電池を長く持たせるスマートフォンの開発をサポートできると考えました。

アプリケーションに関する情報を得るために、どのようなサービスを開発しましたか。

 まず2010年冬に、友人同士でアプリを推薦し合うAndroidアプリ「FriendApp」を公開、世界で約10万人のユーザーを集めました。

 ただ、単体のアプリでは「ビッグデータ」に値する量の情報が集まりません。そこで2011年夏に公開したのが、リワード広告と組み合わせた動画視聴アプリ「app.tv」です。提携したアプリをインストールするとポイントが貯まり、動画が見られる仕組みです。ただ、こちらはユーザーが数千人ほどにとどまり、事業としては失敗しました。

 その次に開発したのが「AppLogSDK」です。こちらはAndroidアプリの開発者向けのB2Bサービスです。

 無料アプリが溢れるAndroidアプリ市場では、開発者はアプリの収益化に苦戦しています。アプリ内広告を入れる方法もありますが、ツール系アプリなど頻繁に使われないアプリには不向きです。

 そこでAppLogSDKを導入したアプリについて「ユーザーが1回インストールすれば、ミログがアプリ開発者に月額1円を支払う」というモデルを採用しました。AppLogSDKを導入したアプリがインストールされると、ユーザーに情報収集の同意を得た上で、アプリケーションの起動履歴などを収集、送信します。ユーザーにとっては、広告が表示されないアプリを楽しめる利点があります。

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