ベンチャー企業のミログは2012年4月2日、会社を解散、清算すると発表した。全事業を売却し、撤収する。

 ミログは、Android端末にインストールされたアプリケーションのリストや起動履歴を収集、活用する事業を展開していた。具体的には、ユーザーのアプリケーション情報を基にしたターゲティング広告やリワード広告、統計処理したアプリケーション情報を使ったコンサルティング事業などを手掛けていた。

 だが2011年秋頃から、こうしたアプリ情報の収集が「プライバシーの侵害に当たるのでは」という指摘が相次いでいた。アプリケーション起動履歴などを収集する「app.tv」「AppLog」といった同社が提供するサービスについて、「ユーザーへの十分な説明なく情報を収集している」としてネットを中心に批判が噴出した。

 ミログは一部のサービスを終了・停止すると共に、内容の全面的な見直しを検討したが今回、「事業環境を総合的に判断した結果」(ミログ)として会社の解散、清算を決定したという。

 ミログは2009年4月に、大学在学中の城口洋平氏が設立した。当初はミニブログサイトを運営すると共に、ウェブ上の文章を自然言語処理技術で解析し、感情を読み取る技術を開発していた。2010年にはAndroid関連に事業に一本化。2011年5月にはネット広告大手のオプトなどの出資を受け、スマートフォン向けのアプリケーション情報の解析や、その情報を活用した広告事業に乗り出した。