ソニー・エリクソン・モバイル・コミュニケーションズの英国本社でグローバルのマーケティング戦略を指揮するLennard Hoornik氏に、Android搭載スマートフォンXperiaや、それに続くAndroid搭載製品群について聞いた。日本の開発者が作るAndroidアプリケーションにも、大きな期待を寄せているという。

(聞き手は星暁雄=コモンズ・メディア)

2010年2月15日から18日までスペインで開催されたモバイルの展示会「Mobile World Congress 2010」(以下MWC、関連記事)でXperiaシリーズの新機種を発表しました。

Sony Ericsson Mobile Communications
Corporate Vice President, Global Head of Marketing
Lennard Hoornik氏

 MWC 2010で、我々は小さな「Xperia X10 mini」(2.55インチQVGAディスプレイ搭載)、QWERTYキーボードを備えた「Xperia X10 mini pro」を発表しました(関連記事)。すでに発表済みの大きな画面を備えた「Xperia X10」(日本国内での製品名はXperia、4インチ・フルワイドVGAディスプレイ搭載[(関連記事])に加えて、Xperiaの製品ファミリーを充実させました。

 Androidはとても強力なプラットフォームであることが明確になりました。私たちは、Androidだけでなく次世代のWindows Phone 7 seriesや次世代Symbianも手がけていくつもりですが、モバイル製品向けプラットフォームは非常に面白い段階にあります。

 そしてサービス提供側として、開発者こそがこのエコシステムの中心にいると認識しています。

Xperia(左)、Xperia X10 mini(中央)、Xperia mini pro(右)
Xperia(左)、Xperia X10 mini(中央)、Xperia X10 mini pro(右)

Androidをどのように見ていますか。

 私たちは製品作りをプラットフォームの選択から始める訳ではありません。まず、アイデアから始めます。それから、製品に最も適したOSを選択するのです。もちろんAndroidは私たちのポートフォリオの中で非常に重要なプラットフォームです。ただし、他のプラットフォームとは相互補完的な関係にあると考えています。

これらの製品でAndroidを採用した理由は。

 Androidには、良いところがたくさんあります。Googleが運営するAndroidマーケットには、すでに多くのアプリケーションが登録されています。マルチタスキング機能は強力な優位性です。そして、大勢の開発者たちがAndroidの周りで良い仕事をしています。Androidには柔軟性と発展性があるのです。そして、開発者とマーケットを含めたエコシステムが形成されつつあります。

 私たちは、Android上に、“シグネチャ・アプリケーション”、具体的にはTimescapeとMediascapeを載せ、また独自のGUIを実現しています。これらはUXP(UXプラットフォーム)と呼ぶ一つのプラットフォームを構成します。この環境を継続的に改善していく考えです。

 Xperiaシリーズでは、大きなスクリーン(Xperia)と小さなスクリーン(Xperia X10 mini、Xperia X10 mini pro)の両方のフォーマットを提供します。またXperia X10 mini proで採用したQWERTYキーボートも、時として重要です。多くの人々が、FacebookやTwitterに書き込む際、キーボードを使います。日本でも多くの人々がケータイ・メールをキーボードを使って打っているでしょう?多くの人々がQWERTYキーボードを望んでいます。

 Xperia X10 miniは、まだ日本では発表していない機種ですが、小さなスクリーンをフル活用したユーザー・インタフェースを搭載しています。片手で操作しても画面の全域に指が届くので、四隅に操作用の機能を割り当てるなどの工夫をしています。可愛らしい端末でしょう?

日本の開発者に期待することは?

 日本の開発者には、ユニークな発想があります。Xperiaをギターのピックに見立てて演奏する「Rocker」(注:開発中のバージョンを、ソニープラザで3月6日から開催した「Xperia Touch & Try Event」で展示[関連記事])を見せてもらいましたが、本当に面白く、興奮しました。

 撮影した人物の顔写真に言葉を喋らせる「PhotoSpeak」も気に入りました。こうしたアプリこそ、私たちが期待していたものです。

 私たちには、とてもシンプルな言葉があります。「人々に笑顔を(make people smile)」です。あなたは一日に何回、携帯電話を手にしますか?手にするたびに笑顔になるようなアプリがあったらいいと思うでしょう。ぜひ日本の開発者に、思わず笑顔がこぼれるような、いいアプリを作っていただきたいと思っています。

■変更履歴
Lennard Hoornik氏の肩書きを「英Sony Ericsson Communications Management Corporate Vice President Global Head of Marketing」としていましたが,「Sony Ericsson Mobile Communications Corporate Vice President, Global Head of Marketing」に訂正します。本文は修正済みです。 [2010/03/25 12:25]