写真1●KDDIが2014年夏モデル発表会を開催
写真1●KDDIが2014年夏モデル発表会を開催
[画像のクリックで拡大表示]

 KDDIは2014年5月8日、2014年夏モデルの新製品発表会を開催した(写真1)。

 発表会の模様はau WALLET発表会プレゼンテーション端末囲み取材の各記事でレポートした。夏モデル特集第2回では、KDDIによる「au WALLET」やネットワークに関する発表を振り返ってみたい。

au WALLETが物理カードを採用した理由

 KDDIの夏モデル発表会では、第1回でも述べたように、大半の時間がプリペイド式電子マネー「au WALLET」の発表に費やされた(写真2)。KDDIはそのサービス概要を2月に発表していたが、その時点から「なぜ物理カードを採用するのか」という疑問の声も少なくなかった(写真3)。KDDIが新たに発表する決済サービスとしては、NFC(近距離無線通信)を利用するなど、最先端のものが期待されていたといえる。

写真2●au WALLETの発表が目立った
写真2●au WALLETの発表が目立った
[画像のクリックで拡大表示]
写真3●物理的なカードを利用する
写真3●物理的なカードを利用する
[画像のクリックで拡大表示]

 物理カードを採用した理由としてKDDI代表取締役社長の田中孝司氏は、「分かりやすさ」を挙げており、確かに同意できる部分は多い。ただ、米国などではスーパーマーケットなどでMasterCardやVISAのプリペイドカードが簡単に購入できるものの、日本ではなじみが薄い。そのため、au WALLETの仕組みやメリットが十分理解されるには、意外と時間がかかる印象を受けた。

 au WALLETの物理カード内にはNFCチップを内蔵しており、auショップに設置する「ウェルカムガチャ」に利用しているという。将来的にはカード内のNFCチップを用いた決済サービス等を展開する可能性はあるものの、囲み取材でも具体的なコメントは得られなかった。まずは世界中で利用できる磁気ストライプカードの形で普及させ、ユーザーに使ってもらうことを重視している印象だ。