KDDIは2014年5月8日、都内で新製品発表会を開催し、2月に概要を発表していた「au WALLET」を正式発表した(関連記事)。

 au WALLETはプリペイド式の電子マネーで、クレジットカードに似た磁気カードを使う点が特徴となる(写真1)。あらかじめチャージした金額のみ使えるため審査が不要になるという手軽さと、全世界3810万店のMasterCard加盟店で使える利便性の両立を狙う。KDDI代表取締役社長の田中孝司氏は、「すべてのauユーザーにau WALLETを持ってもらいたい。持たなければ損だ」と呼びかけた(写真2)。サービス開始は5月21日を予定する。

写真1●au WALLET
写真1●au WALLET
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写真2●au WALLETカードを持ち、サービスを正式発表するKDDI 代表取締役社長の田中孝司氏
写真2●au WALLETカードを持ち、サービスを正式発表するKDDI 代表取締役社長の田中孝司氏
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クレジットカードと電子マネーのメリットを融合

 田中氏は最近の決済動向に注目し、年間50兆円に上るクレジットカード決済額のうち、電子マネーが2兆円強に拡大している点、電子マネーは1件あたりの決済金額は小さいが決済件数は多く、クレジットカードの3割に達している点を挙げ、「電子マネーが市民権を得てきた」と語った。

 また消費者の意識としても、単なる現金払いよりもポイントがたまる決済手段を求める傾向にあり、4月の消費税増税により決済時の端数が増えることで「小銭を持ち歩きたくないという声が増えてきた」(田中氏)と指摘する。

 現金以外の決済手段としてはクレジットカードと電子マネーの2種類があるが、クレジットカードは多くの店舗で使えるものの審査を要するため所有者が限られること、また電子マネーは年齢制限がなく誰もが少額決済に利用できるが、利用場所が限られるという一長一短の関係にあるとする。