Googleは検索という枠を飛び出し、月着陸(MoonShot)のような、かつての人類にとっての不可能を可能にするプロジェクトに取り組んでいる---前回の「自動運転自動車」、前々回の「老化防止」とその一旦を紹介してきた。

 そのMoonShotプロジェクトの高度研究を担うのが「Google X」だ。しかしその実態は、ほとんど公表されていない。San Franciscoのテレビ・ニュースは、連日、沖合のTreasure Islandに建設されている謎の施設 (下の写真) について報道している。この施設は、はしけの上に構築され、Google新型データセンターと噂されていたが、実は、Google Glass向けショールームであるとの見方が強まってきた。施設はコンテナを重ねて組み立てられ、1階から3階までがショールームで4階がラウンジになっている。分解すれば列車やトラックで移送でき、別の場所で”Google Store”をオープンできる。この建造物はGoogle Xで開発され、Apple Storeへの対抗策であるとされている。Googleはコンテナ型のデータセンターを展開しているが、これを小売店舗に応用した形となっている。

出典: CBS Interactive

Google Xで100件のプロジェクトが進行中

 Google Xは2010年に設立され、GoogleのCEO Sergey Brin指揮のもと、次世代に向けた研究開発を行っている。Google Xでは100件のプロジェクトが進行中であると言われているが、その実態はほとんど知られていない。最初のプロジェクトが自動運転車「Self-Driving Car」で、この研究がGoogle X誕生のきっっかけとなった。二番目のプロジェクトがウェアラブルで、「Google Glass」として実を結び、”Google Store”で販売される模様である。多数の気球を上げてインターネットを構成する「Project Loon」もGoogle Xで開発された。GoogleはMakani Powerというベンチャー企業を買収し、上空での風力発電「Airborne Wind Turbine」の研究開発を本格化させた。