写真●未来の教室「フューチャークラスルーム」で公開授業に臨む子供たち。机の上には1人1台ずつタブレット端末が置かれている
写真●未来の教室「フューチャークラスルーム」で公開授業に臨む子供たち。机の上には1人1台ずつタブレット端末が置かれている
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 スマートフォンやタブレット端末に囲まれて育つ子供たちは、タッチパネルに触れる指先で何を感じ、どんな影響を受けながら、成長するのだろうか──。

 2013年6月8日に開かれた教育関係者向けのイベント「New Education Expo 2013」で、未来の教室「フューチャークラスルーム」を使った公開授業が実施された(関連記事:「フューチャークラスルーム」の公開授業、筑波大学附属小学校ではタブレットが“普通”の光景 )。授業に立ち会った私は、冒頭のことを強く考えさせられた(写真)。少なくとも目の前の子供たちは何の違和感もなくタブレットを操り、授業を自然に受けていた。

 スマホやタブレットが教育現場に入り込んでいくのは、日本でも時間の問題だろう。既に子供たちは家庭では、親たちが使うスマホやタブレットに触れているだろうし、子供にデジタルデバイスを買い与えている親も少なくない。街中ではベビーカーに乗った赤ちゃんまでが、小さな指でスマホをいじっている姿をよく見かけるようになっている。

 指を横に動かすだけで直感的に使えるスマホやタブレット。端末から流れ出す映像や音で五感が刺激され、子供たちの脳裏に強く印象に残ることもあるのだろう。

 これからは教材の1つとして、スマホやタブレットが欠かせない存在になっていくのは確実である。むしろ先生の方が、対応できずに取り残される可能性さえある。

 一方で、危険があるのも周知の事実だ。スマホを手放せなくなる、通称「スマホチルドレン」が早くも社会問題になりつつある(関連記事:スマホ少女の憂鬱、スマホ少年の暴走 )。ソーシャルメディア依存症やゲーム依存症は大人だけの話ではない。目の疲れなど、健康問題も今後は露呈するかもしれない。

 こうした問題と向き合わなければならないのは子供たちではなく、親たちだ。スマホやタブレットをいつ買い与えるべきか、使い方や使い道をどのように子供たちに伝えていくか。これからますます議論が活発になっていくだろう。

 子供たちのスマホやタブレットとの付き合い方を決めるのは、最初のうちは大人たちだ。情報リテラシー教育も含め、新たな課題が山積みである(関連記事:子供の情報リテラシーを考える、パソコンや携帯はどのように与える?)。子供を持つ親には楽しみが増えると同時に、悩みもまた1つ増えそうだ。