のっけから私事で恐縮だが、今春、我が娘が大学に進学した。まだ未成年ではあるが、一応“大人”の仲間入りをしたと言っても良いだろう。パソコンやスマートフォンを使いこなしながら、日々、勉学やサークル活動に励んでいるようだ。

 筆者は、娘が幼少の頃からどちらかと言えば積極的にパソコンや携帯電話を買い与えてきた。もちろん無制限に使わせていたわけではない。いろいろ試行錯誤しながらやってきて、結果的にではあるが、そのやり方が比較的うまくいったのではないかと感じているので、少々手前味噌ではあるがここに紹介しようと思う。

パソコンはいつから使わせる?

 まずはパソコンについて。筆者が娘にパソコンを最初に触れさせたのは2歳のときだった。ちょうどWindows 95が登場した頃で、筆者自身がPC-9800シリーズからDOS/Vパソコンに買い換えた時期に当たる。知育系ソフトをいくつか買い、一緒にパソコンに向かって遊ばせていた。

 幼児期からパソコンに触れる機会を設けることの是非については、はっきり言ってよく分からない。子供の個性にもよるだろう。早くからパソコンに慣れ親しんだために才能が開花される可能性も否定できないものの、それよりは、なるべく外で遊ばせたほうが良いという判断も当然ある。幼児英才教育と同じで正解はない。そういう意味では、あまり気にしなくて良いのかもしれない。

 一般に、子供にパソコンを使わせるかどうかを悩む最初のタイミングは小学生になってからだろう。というのも、学校でインターネット教育やパソコン教育が始まるからだ。我が娘の場合は、小学校3年生からパソコンの授業が始まった。このタイミングで筆者は、筆者のパソコンに娘専用のユーザーアカウントを作成し、自分でログインして自由に使うことを許可した(筆者が使っていないときに限るが)。

 このときに筆者が気を付けたのは次の2点。URLフィルタリングソフトで子供にふさわしくないWebサイトをブロックすることと、アカウントのパスワードを変えないという約束を設けたことだ。URLフィルタリングソフトも完璧とは言い難いが(少なくとも当時はそうだった)、パスワードさえ把握しておけば、後からでもWebのアクセス履歴を調べることができる。

 もっとも子供自身がアクセス履歴を削除してしまえば分からなくなるので、それでも完璧とは言えないが、大部分はフィルタリングソフトがブロックしてくれるので、その点は良しとした。完璧なセキュリティを求めるあまり、パソコンを一切触らせないようにすることのほうがデメリットが大きいと判断した。

 フィルタリングソフトがあることを前提として、インターネット上のWebサイトは比較的自由に閲覧させた。実際には、「Yahoo!きっず」などのポータルサイトを使い、様々な情報にアクセスしていたようだ。また、ワープロなどオフィス系ソフトも積極的に使わせた。さすがにワープロ文書で学校に何かを提出することはなかったようだが、宿題で何かの文章を作成するときに、推敲のためにワープロを使ったりしていたと記憶している。

 筆者のパソコンを娘と共有するというこのやり方は、ついこの前、大学入試に合格するまで続いた。厳密に言えば、古くなったパソコンを筆者のサブマシンとして活用したかったので、途中から筆者のメインマシン&娘のマシン兼筆者のサブマシンという2台構成にはなったが、両方ともデスクトップパソコンであり、ディスプレイは1つしかなかったので事実上同じだった。

 なお、大学合格が決まってからしばらくたった後、新しいディスプレイを購入し、娘のパソコンは娘の自室へと移動させ、娘の専用機となった。