今週、東京・千代田区のホテルニューオータニで「Cloud Days Tokyo」「ビッグデータEXPO」「スマートフォン&タブレット」の3展が2日間にわたり開催され、延べ1万4000人超が来場した。利用が拡大しているクラウドコンピューティング、ビッグデータ、スマートフォン&タブレットの最新動向を把握するために来場したビジネスパーソンで、会場は活況を呈した。

「Cloud Days Tokyo/ビッグデータEXPO/スマートフォン&タブレット」につめかけた来場者
「Cloud Days Tokyo/ビッグデータEXPO/スマートフォン&タブレット」につめかけた来場者
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 初日午前のKEYNOTEには丸紅 情報企画部長の徳田幸次氏が登壇し、「総合商社:丸紅におけるIT戦略とグローバルでのOffice 365展開について」という題で講演を行った。徳田氏によると、丸紅単体で導入したメールクラウドでは、1ユーザーにかかる毎月のコストを旧システムに比べて45%ほど削減できたという。

 初日午後のKEYNOTEは、そのOffice 365を提供する日本マイクロソフトのOfficeビジネス本部本部長で業務執行役員のロアン・カン氏が、同日に提供開始したばかりの「新Office 365」について講演した。

 2日目のKEYNOTEには、ユーザー企業2社がモバイル活用について紹介した。午前に登壇した全日空(ANA) プロモーション室 マーケットコミュニケーション部 主席部員の前田欣伸氏は、「『スマホファースト』掲げるANAのWeb戦略」と題して講演。同社のパソコン用サイトにおけるスマートデバイス対応の状況について説明した。

 一方、午後に登壇した三菱東京UFJ銀行 常務取締役 リテール部門長 長田忠千代氏は、「三菱東京UFJ銀行のリテール戦略とモバイル活用」と題して、同行のタブレット端末利用を解説。長田氏によると、タブレット端末の稼働率の上昇に合わせて、成約事例も増加しているとしている。

 このほか、クラウド、ビッグデータ、スマートフォン&タブレットの各分野に関する様々なセミナーやパネルディスカッションが開催され、多くの来場者がスピーカーの声に耳を傾けていた。

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KEYNOTE

丸紅 徳田幸次氏
メールクラウドはグループ束ねる重要ツール
 「当社単体に導入したメールクラウドは今後、当社のグループ会社へも展開していく。コミュニケーションの共通基盤としてグループを束ねる重要なツールになるとみている」。

日本マイクロソフト ロアン・カン氏
Office365 ProPlusを解説、クラウドとソーシャル機能をアピール
 「本日この講演以降、世界中で新しいOffice 365が提供される。日本ではすでに、日本航空や丸紅などの大企業をはじめ、アスクルやブックオフコーポレーションなどの中堅企業まで、多くの企業がクラウドのメリットを活用するためにOffice 365を活用している」。

全日空(ANA) 前田欣伸氏
PC用サイトをタブレット前提に作り替える
 「パソコン用サイトのデザインを考え直す取り組みを始めた。指で操作するスマートデバイスでの利用を前提としたものに変える」。

三菱東京UFJ銀行 長田忠千代氏
タブレットの稼働率上がり投信の成約事例も増加
 投資信託など金融商品を個人顧客に販売する営業担当者2000人全員にタブレット端末(多機能情報端末)を2012年12月までに配布し、運用成果を伝えるアフターフォローなどで成果を上げていると語った。

経産省・NTTドコモ・タニタによるパネルディスカッション
ビッグデータで新事業創出、官民で日本の競争力底上げ
 経済産業省の佐脇紀代志氏、NTTドコモの松木彰氏、タニタヘルスリンクの坂井康展氏が、ビッグデータを活用した日本の競争力強化について活発に議論。モデレーターは野村総合研究所の鈴木良介氏が務めた。