前回は、無線LAN(Wi-Fi)およびLTE回線による「LINE」「comm」「Viber」「カカオトーク」「Skype」の各無料通話サービスの音声遅延を測定しました。今回はWi-FiおよびLTE回線で接続した際の音声品質を測定します。対象とするサービスは前回と同様です。

 測定環境の構成を図1に示します。また、比較のため、3G(LTE回線上で3Gに切り替えて音声通話。KDDI(au)-ソフトバンクモバイル間)の音声品質についても測定します。

図1●音声品質測定を実施した時の接続構成
図1●音声品質測定を実施した時の接続構成
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 測定方法は第1回でも説明しましたが、音声品質を客観評価するための最新の手法であるITU-T P.863(POLQA)を用いて、通話品質の指標であるR値(ITU-T G.107、TTC JJ-201.01)を求めます。まず最初にR値のみで見た場合の音声品質を見ていきましょう。

 なお、今回の測定で使用するリファレンスファイル(比較元の音声ファイル)はモノラル、サンプリング周波数8kHz、量子化ビット数16ビット、再生時間約8秒のWAVファイルを使用しました。