今回は「LINE」「comm」「Skype」「Viber」「KAKAO TALK](カカオトーク)の各無料通話の遅延時間を測定します。測定に使用する機器は筆者が所属するGLEAN Corporationの「VoicePinger」を使用します(関連記事)。測定対象や測定環境、測定の仕組みについては第1回を参照して下さい。今回は、1度の測定で10回(おおよそ1秒間隔で1回)測定を1セットとし、これを各サービスごと、回線種別ごとに10セット実施しました。
各サービスは、いずれも音質を高めるために端末種別に応じた調整をしています。今回の測定では、利用者数が多いと思われるiPhoneを測定端末として使用します。
遅延時間測定――Wi-Fi接続時
Wi-Fi接続時の遅延測定結果は表1の通りとなりました。
遅延測定結果の中央値をグラフ化したものが図1となります。
今回の測定ではSkypeが一番遅延時間が短いという結果になりました。Skypeは遅延時間の中央値が123.8ミリ秒となっており、品質クラス分類上クラスB相当の遅延時間となります。なお、Viber、カカオトーク、commについては中央値が300ミリ秒前半となっており、品質クラス分類ではクラスC相当の遅延時間に該当します。あらためて「第1回 音声遅延とは何か、どうやって測定するのか」で紹介したIP電話の品質クラスを掲載します(表2)。