アパレルメーカーの寧波博洋服飾で「唐獅」ブランドを手がける社内カンパニーは、ウイングアークテクノロジーズのBIソフト「Dr.Sum EA」を2010年秋に導入した(関連記事)。同カンパニーのシステム責任者である王叡唐獅信息管理部信息総監に同ソフトを選択した理由や評価のポイントを詳細に聞いた。

(聞き手は宗像 誠之=日経コンピュータ



写真1●寧波博洋服飾の王叡 唐獅信息管理部信息総監
写真1●寧波博洋服飾の王叡 唐獅信息管理部信息総監

様々な業務のシステム化を急ぐ背景は?

 我々も含め、中国の企業は経済発展に伴って成長のスピードが加速している。このため、あらゆる業務でこれまで以上にきちんとした管理が必要になっている。そうなると人手でのチェックや作業には限界があり、システム化が避けられなくなっている。

 スクラッチ開発に比べパッケージソフトの方がコストが安く、導入期間が短くてすむので、自社の業務に適合しそうなソフトを様々な観点から評価して選定するようにしている。

パッケージソフトの選択では、具体的に何がポイントになるのか?

 四つある。一つは価格。予算の中に収まるかどうかは重要だ。二つめは、機能と性能の充実度。最低限、会社の課題解決につながる機能がなければならない。三つめは、柔軟性や拡張性。会社の課題は常に変化していくので、それに合わせて機能が柔軟に追加したり拡張したりできる必要がある。四つめは、ITベンダーの開発やサポートにおけるチームワークや連携の良さだ。これらのポイントを調査して、絞り込んでいく。

BIソフトの導入でウイングアークを選定した理由は?

 販売や製品計画、経営層など、幅広い担当者がそれぞれに必要な切り口で分析できる機能を評価した。機能が充実しているだけでなく、機能追加やトラブル対応の反応が早いなどのサポート体制もレベルが高かった。

 ユーザーインターフェースも使いやすく、追加開発をしなくてもパラメータ設定だけで様々な分析ができるきめ細やかさが印象的だ。この点は実に、日本製らしい。

どのような製品と比較したのか?

 米マイクロソフトやオラクルの製品、中国のERPベンダーが自社製品と組み合わせて提案してきた米IT企業のBIソフトと比較した。

 最終的には同製品とDr.Sum EAを比較し、追加開発の必要ない点が決めてとなり後者を選択した。

ウイングアークの製品はどうやって知ったのか?

 親会社のIT担当者へのダイレクトメールがきっかけだった。それまでは全く知らない会社だった。

 しかし問い合わせをすると、すぐに営業担当者が提案に訪れてくれて、詳細に製品を説明してくれた。中国での事例はまだ少なかったが、機能的には優れていると感じたし、サポート体制も優れていると思った。

導入後の具体的な効果は?

 BIソフトの導入前は、ERPから帳票データを抜き出してExcelに取り込んで分析していた。これらの作業は非常に手間がかかっていた。

 BIソフト導入後は、データ集計作業が三分の一程度を減らすことができ、より深い分析を早くできるようになった。付加価値が高い業務に時間を割けるようになり効率化につながっている。