連載の第11回第12回では、チームセールスの概念および前半の見込み客作りのステージについて説明した。今回から2回は、後半の成約ステージについて説明する(図1)。その名の通り、見込み客をいかに成約につなげるかのステージである。

図1●チームセールスは「見込み客作り」の売らないステージと「営業活動」の成約ステージに分かれる
図1●チームセールスは「見込み客作り」の売らないステージと「営業活動」の成約ステージに分かれる

提案内容の検討:営業担当者以外も交えて実施

 成約ステージで最初にすべきは、提案内容の検討である。見込み客作りによって引き出された顧客情報を、チーム全員で共有し提案ポイントを確定する。

 これは月1~2回の頻度で実施する。営業担当者だけでなく、技術者も交えて何を見込み客に提案すべきかを議論する。

 その際に提案書をレビューするのも有効だ。顧客にプレゼンする前に提案書を社内で評価する。実現性の乏しい提案や顧客の課題とピントがずれている提案を事前に排除する。成約率が高い会社の多くは、提案書レビューを実施している。

 チームセールスは常に営業以外の第三者がかかわるモデルである。この提案書レビューよりも前、すなわち提案を進める段階でも営業以外の人に参画してもらう。顧客情報を集めるにしても、営業以外の人のほうが売ることだけを目的とした歪んだ情報にならない。

 提案内容の検討ステップでは、結論として提案を見送ることも考えられる。自社もしくは協力会社が持つ商品・サービスの中で提案できるものがないのなら、当然の結論である。提案するのは、あくまでも自社が提供可能な商品・サービスと顧客の課題が一致、もしくは課題をソリューションが包含している場合に限る。顧客の期待が大きく、自社の商品・サービスでは一部しか解決できない場合は提案要請を断るべきである。ただし自社が解決できる顧客の課題の一部が、顧客の経営にとってインパクトが高いのであれば提案を進めても良いだろう(図2)。

図2●提案内容の検討ステージの考え方
図2●提案内容の検討ステージの考え方