オープンソース・ソフトウエア(OSS)を代表するLinux。それは1991年、当時フィンランドの大学院生だったリーナス・トーバルズ氏が、自分で使うOSを作ろうとして始まったプロジェクトだった。開発を始めた時には、現在のように世界中で使われるようになるとは全く思っていなかったという。しかし、その自由さから多くの開発者が開発プロジェクトに参加するようになったLinuxは、インターネットのサーバーとして広がり、今では東京証券取引所などの金融システムや、原子力発電所などでも使われるようになった。

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 ITproの「オープンソース/Linux」サイトでは、Linuxを使いこなすための記事を多数掲載している。Linuxの学習や、Linux上での開発に役立ててほしい。

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日本から世界へ羽ばたくソフトが生まれた

 世界で使われるようになった日本発のOSSもある。まつもとゆきひろ氏が開発したRubyは、TwitterなどのWebサービスを中心に海外にも広まっている。

 「まつもと直伝 プログラミングのオキテ」は、そのまつもと氏がRubyにとどまらず、プログラミング言語一般について彼の考えをまとめた解説だ。オブジェクト指向やデザインパターン、高速化などプログラムを書くうえで重要な概念や技術を取り上げている。書籍「まつもとゆきひろ コードの世界 スーパー・プログラマになる14の思考法」のもとになった連載である。

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ERPやオフィス・ソフトなどのアプリが最前線に

 OSSの普及は、LinuxのようなOSやプログラミング言語などの基本ソフトウエアから、データベースやアプリケーション・サーバーといった上位レイヤーへと、次第に拡大している。

 オープンソースのオフィス・ソフトウエアであるOpenOffice.orgを採用する団体や組織が増えている。アシスト会津若松市、トーホーが既にOpenOffcice.orgへの移行を始めている。四国中央市は2010年5月に、愛知県豊川市は2010年12月から、オフィス・ソフトをOpenOfficeに移行する。

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 オープンソースの業務アプリケーションも、SugarCRMが経済産業省の政策議論サイト「アイディアボックス」で使われるなど利用が始まっている。またオープンソースのERP(統合業務パッケージ)も採用事例が出てきている。

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 このほかにも、多くのオープンソース・ソフトエアが存在する。ITproのオープンソース/Linuxサイトでは多くのOSSを紹介してきた。読者の業務や仕事に役立つアプリケーションを探してみていただきたい。

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オープンソース/Linuxサイトの最初の記事から6年半

 ITproが、オープンソース/Linuxサイトを設置したのは2003年の9月16日。その日に掲載した記事はこのインタビューだった。

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 「選択の自由と技術革新」。この2つは、当初から一貫してOSSの大きなメリットだった。“フリー”の上で生まれるイノベーションが、クラウド・コンピューティングの基盤を作り、Androidを始めとする携帯電話プラットフォーム、デジタルTVやHDDレコーダなどのデジタル家電の基盤が生まれた。

 政府のOSS振興施策は、日本OSS推進フォーラムや独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)オープンソフトウェア・センターを実施組織として、現在も継続されている。米IBM、米Hewlett-Packard、NEC、日立製作所、富士通などのサーバー・ベンダー、NTTデータや野村総合研究所などのインテグレータ、米Googleや楽天などのWebサービス提供企業もOSSを基盤としてビジネスを展開し、OSSへの支援を提供している。