かつて「ブロイ」「北海道生搾り」といった発泡酒の大型製品を投入しながらも需要予測が外れ、機会損失を発生させていたサッポロビール。これに加え、同社は毎年10億円以上の廃棄ロスにも悩まされていた。

 こうした課題を解決するために、2000年からSCM(サプライチェーン・マネジメント)改革に着手した。情報システムを刷新し、現場の情報を吸い上げやすい体制を築いた。ビール各社ともに、鮮度向上のためにSCM改革を実施している。

 需要予測を月次から週次に切り替えるとともに、判断材料を変えた。最終製品単位から原液ごとの予測に変更。仕込み段階で大まかな需要を予測し、容器に充てんする直前に季節要因や市場動向などを取り入れるように切り替えた。こうした取り組みによって、5年前に比べて不良在庫が100分の1、資材在庫が7分の1、廃棄ロスが10分の1にまで減った。

  • 販売計画を2度にわたり上方修正 <上>
  • 計画と実需が合わない <下>