本連載では,「Thunderbird 1.5」の便利な機能を紹介している。第1回は,ThunderbirdをLinuxディストリビューション「Fedora Core 6」にインストールする方法と基本設定を紹介した。第2回は,メールを分類する機能と,迷惑メールを自動的に振り分けるフィルタ機能の使い方を紹介した。
最終回は,Thunderbirdのセキュリティ機能について紹介する。これらの機能の大半は,エンドユーザーがほとんど意識することなく使用できる。
フィッシング詐欺の疑いのあるメールに警告
Thunderbirdは,フィッシング詐欺の疑いのあるメールを受信した場合,警告を表示する機能を備える。フィッシング詐欺とは,クレジット・カード番号の詐取などを目的とした偽装詐欺である。Thunderbirdは,フィッシング詐欺の疑いのあるメールを受信すると,写真1のような警告を発する。このようなメールを受信したら,本文中のリンクをクリックせず,迷惑メールとして分類しておこう。
メール本文中のリンク画像をブロックする
Thunderbirdのデフォルト(初期設定)では,HTMLメールの本文中に画像ファイルへのリンクがある場合,それが知らない人からのメールであれば,表示をブロックするようになっている(写真2)。画像ファイルをリンク先から読み込むと,特定のメール・アドレスが開封されたかどうか,相手に知られてしまうためだ。Thunderbirdは,個人アドレス帳に登録されているメール・アドレスからの場合だけ,リンク先の画像ファイルを表示するように設定してある。これは,「編集」→「設定」の「プライバシー」→「一般」設定で確認できる。
パスワードマネージャでパスワードを管理
Thunderbirdでは,メール・サーバーとのやり取りでパスワードが必要になると,自動的に確認ダイアログが表示される。ユーザーはそこにパスワードを入力する(第1回を参照)。このとき,「パスワードマネージャでパスワードを保存する」をオンにしておくと,メールの送受信に必要なパスワードを,パスワードマネージャが管理する。このパスワードマネージャに保存されたパスワードを確認したり削除したりするには,次のようにしてパスワードマネージャを呼び出してそこで操作する。
(1)「編集」→「設定」を選択する
(2)「Thunderbirdの設定」ダイアログが表示されたら,「プライバシー」→「パスワード」タブを選択する
(3)「保存されているパスワードを表示」ボタンをクリックする(写真3)
マスター・パスワードを設定する
Thunderbirdは,マスター・パスワード機能を持つ。このマスター・パスワードを設定しておくと,他人が勝手にThunderbirdを起動できなくなる。
(1)「編集」→「設定」を選択する
(2)「Thunderbirdの設定」ダイアログが表示されたら,「プライバシー」→「パスワード」タブを選択する
(3)「メールパスワードの暗号化にマスターパスワードを使用する」を有効にし,「マスターパスワードの変更」ダイアログが表示されたら,新しいマスター・パスワードを設定して,「OK」ボタンをクリックする(写真4)
(4)「Thunderbirdの設定」ダイアログの「閉じる」ボタンをクリックする
自動更新機能の設定
Thunderbirdは,バージョンアップがないかを自動的にチェックし,必要であれば最新版をインストールできる機能を備える。これにより,脆弱性が発見されてセキュリティ・アップデートが公開された場合にも,素早く対応できる。セキュリティ・アップデートは,差分だけをダウンロードするため,短時間で更新できる。この設定は,「編集」→「設定」の「詳細」→「更新」設定で確認できる。ただし,Linuxディストリビューションによっては,この機能が無効になっているようだ。Fedora Core 6のパッケージを使ってインストールした場合は,この機能がオフになっており,手動でもオンにしても保存されなかった(写真5)。