“スピード命”のフラッシュ製品は、無駄な機能を削ぎ落としたアーキテクチャーを持つ。ただ、バックアップ機能やリモートレプリケーションなど、従来のストレージが備えていた機能を求めるユーザーは少なくない。安定した低レイテンシーや、管理性をどう実現しているか、製品選択のポイントを探った。

(司会は森山 徹=日経コンピュータ)

(写真:北山 宏一)

司会:

 製品選択のポイントについて、議論しましょう。フラッシュ搭載ストレージというと、これまではIOPS(1秒間に可能なI/O回数)で示すスピードを競ってきた印象です。

IBM佐野:

 オールフラッシュ製品「FlashSystem」を作ったときに、スピードを追求するためにほとんどの機能を削ぎ落としました。CPUを使ってマイクロコードを書いて、マイクロコードの機能を良くして、というのがだいたい1995年ぐらい以降の制御装置の基本的なデザインです。これに対して、私たちはCPUを使わず、FPGA(Field Programmable Gate Array)を使って製品をデザインしたというのが一つのポイントです。

 従って機能はたくさんは入ってない、もうスピードだけと。しかし当然ですが、ユーザーはバックアップも取りたいし、遠隔コピーといった機能も欲しいと考える。そうした機能は製品の外側にあったら大丈夫でしょうというのが、私たちの基本路線です。オールフラッシュはスピード命で裸で使いたいので、とにかく速い製品を作った。一方で各種機能は、仮想化のストレージ装置と組み合わせれば、遠隔コピーやコードコピー、データのリアルタイム圧縮もできるので、そうした2段構えで製品を展開しています。

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