米IBMは2014年1月23日、中国レノボにx86プロセッサ搭載サーバー事業を売却する計画で最終合意に達したと発表した。IBMはレノボから23億ドル(2400億円)を受け取る。

 1981年のIBM PC発売から33年、1996年のPC Server発売から18年を経て、IBMはインテルアーキテクチャーのハードウエア事業から撤退する。同社のハードウエア事業は、POWERやz/Architectureといった独自アーキテクチャーに専念する。

 日本IBMは同社製x86サーバー「System x」の国内販売代理店に対し、サーバー保守を当面IBMが継続する旨の通知を行っているという。ある販売代理店は「顧客からの問い合わせは今のところ来ていない。売却対象は(代用品が容易に入手できる)x86サーバー分野なので、顧客もあまり影響を感じていないようだ」と語る。

 IBMは事業売却で得た資金を、人工知能やクラウドへ投じる考えだ(図1)。ビッグデータ解析でコンピュータに認知力を持たせる「コグニティブ(認知的)コンピューティング」を事業化する組織「IBM Watson Group」に10億ドルを超える投資を行う。さらに、2013年7月に推定20億ドルで買収した米ソフトレイヤーのIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)を拡充するため、12億ドルを投じ、日本を含む15カ所にデータセンターを新設する計画だ。

図1●米IBMの2013~2014年事業投資戦略
x86サーバー事業売却で「コグニティブ」と「クラウド」に投資
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