プロジェクトマネジメント(プロマネ)ツールは、チームのメンバー全員が日々利用することで導入効果が高まる。「Backlog」と「Brabio!」というクラウド型プロマネツールは、ゲーム的な楽しさを演出したり、進捗入力の手間を軽減したりすることで、メンバーの利用を促す。

 オープンソースソフト(OSS)の「Redmine」をはじめとするプロジェクトマネジメント(プロマネ)ツールを導入する現場が増えている。プロマネツールによってプロジェクトのタスクや課題の状況を管理したり、メンバー間の情報共有を促したりするのが目的である。

 ただしプロマネツールを導入しても、メンバーが使わなければ意味がない。例えば日次で進捗管理をしようとすれば、メンバー全員がそれぞれの担当タスクの状況を日々入力することが前提となる。情報共有にしても、メンバー全員が使ってこそ効果が上がる。

 そこで重要なのが、プロマネツールの使い勝手や利用を促す機能だ。この点を考慮したプロマネツールとして、ヌーラボの「Backlog」とブラビオの「Brabio!」が挙げられる(表1)。どちらもSaaSとして提供されるので、サーバーを用意したりインストールしたりする必要がなく、すぐ使い始められる。

表1●本記事で取り上げるクラウド型プロマネツール
表1●本記事で取り上げるクラウド型プロマネツール

ゲーミフィケーション機能を導入

 Backlogは、課題管理あるいは小規模なプロジェクトのタスク管理や情報共有に向くプロマネツールである。ただ、複数のタスクを階層構造化して管理することはできないので、WBS(Work Breakdown Structure)を作成するプロジェクトのタスク管理には向かないだろう。

 課題やタスクについては、担当者や期限を設定したり、状態(ステータス)を登録したりできる。これらの情報を基にガントチャートやバーンダウンチャート(課題やタスク全体の進捗を右肩下がりの折れ線で表したグラフ)を自動生成する機能もある。Wiki機能を使った情報共有も可能だ。

 Backlogの特徴は、ゲーミフィケーション機能を備えることである。ゲーミフィケーション機能とは、ゲーム的な楽しさを演出するものだ。

 例えば「スター」という機能では、メンバー同士で感謝、称賛、励ましの意味を込めて、星マークを贈り合える(図1上)。ちょっとしたコミュニケーションだが、これがBacklogを使い続ける動機になるという。

図1●Backlogのゲーミフィケーション機能の例
図1●Backlogのゲーミフィケーション機能の例

 またBacklogの各種画面で、利用者は自分をイメージしたアイコンや写真画像を表示できるのに加え、感情を表す絵文字を使える。

 さらにバーンダウンチャートでは、進捗に関して実績と計画のずれが大きくなると炎上マークが表示される。これは注意喚起のためでゲーム的な楽しさにはつながらないが、特定のメンバーが一気にタスクを完了させてプロジェクト全体の遅れを取り戻した場合は、「○○さんのがんばりです!」といったメッセージがバーンダウンチャート上に表示される(図1下)。

 ヌーラボの縣(あがた) 俊貴氏(取締役)は、「ITエンジニアだけでなく、利用部門の関係者も使えるように、親しみやすいユーザーインタフェースにした」と話す。

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