独自のクラウドサービスである「IIJ GIO(ジオ)」を提供するインターネットイニシアティブ(IIJ)は、ネットワーク事業者としてクラウドの運用からセキュリティまで、インフラを幅広くカバーしている。信頼性が向上し、顧客からの評価は高いという。「インフラは専門家に任せてほしい。ユーザー企業は自らのアプリ開発などに専念できる。クラウドの進化で、そうしたことが容易にできる時代になった」と同社の執行役員マーケティング本部長の松本光吉氏は話す。


IIJのクラウド事業の現状は。

写真●インターネットイニシアティブ 執行役員 マーケティング本部長の松本光吉氏

 当社はネットワーク事業者としてクラウドの運用からセキュリティまで、インフラを幅広くカバーしている。独自のクラウドサービスである「IIJ GIO(ジオ)」は、既に1000社以上に導入している。

 IaaSを中心に多くのサービスを提供しており、ユーザー企業の要望に応じて柔軟に対応できる。メニューも増やし、サーバーとITリソースを組み合わせて、それぞれのレベルごとのシステム化を実現できるようになった。

ユーザー企業はどう評価しているのか。

 先般、GIOのユーザーに当社がクラウドサービスに関してアンケート調査を実施したところ、「ITシステムで重視していること」との質問で最も多かった回答が「安定運用」だった。インフラの品質や信頼性、安定性は当社が得意とするところで、セキュリティも含めてずっと取り組んできた。

 同アンケート調査でもGIOの評価は高く、「稼働率・信頼性に対する満足度」の質問では、「非常に満足」「やや満足」との回答があわせて8割以上に達した。「パフォーマンスに対する満足度」では役7割が「非常に満足」「やや満足」と回答し、「品実やサービスレベルの改善度(オンプレミスとの比較)」でも、「大幅に改善」「多少改善」が7割以上になった。それだけ当社の技術力やサービスが向上してきたといえる。

IIJのクラウドでの強みは何か。

 先のアンケート調査でも分かるように、安定稼働を実現する高度なインフラを備えていることだろう。こうしたインフラへの対応だけに50人の担当者を持てるだけの企業は、国内でも一部に限られるはずだ。

 GIOのようなサービスを提供するには、多様なインフラ技術やスキルを結集しないとできない。扱うサーバーの台数も他社とは比較にならない。こうした部分をユーザー企業が実行することは難しいのではないか。

 インフラは24時間365日の運用が求められる。こうした部分はインフラの専門家に任せてほしい。そうすればユーザー企業は自らのアプリ開発などに専念できる。クラウドの進化で、そうしたことが容易にできる時代になってきた。