多くの企業に移行を促すような大型の新サービスがなく、純粋なネットワーク部分のコスト削減はここ数年、停滞気味となっている。ただコスト削減に役立つ新サービスが全くないわけではない。LAN/WAN編では、クラウド型の無線LAN構築サービスと割安のモバイルサービスを紹介する。まだニッチな存在だが、ある程度割り切って考えれば適用できる場面は多いはずだ。

無線LANの導入を半額以下に

 まず取り上げるのは、無線LANのコントローラーや認証サーバーの運用を代行するサービス(表2)。これまでもインテグレータが個別に提供していたが、2012年後半からメニュー化され、利用しやすくなった。

表2●無線LANのコントローラーや認証サーバーの運用を代行するサービスの例
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 KDDIやNTTデータが着目したのは、無線LANの認証サーバーの構築・運用に負荷がかかる点だった。「無線LANの導入時にセキュリティ対策を懸念する企業は多く、電子証明書の採用が増えている。だが認証サーバーの構築に費用がかかり、証明書の発行や失効といった運用面の手間が課題となっていた」(NTTデータ ネットワークソリューションビジネスユニット営業統括部第三営業担当の町田健課長代理)。そこでこれらの構築・運用を両社が代行し、企業がWAN経由で利用する方式とした。

 両社ともアクセスポイント(AP)にはチャネルや電波出力を自動調整できる米アルバネットワークスの製品を採用しており、ユーザー企業の負荷はほとんどかからない。さらにAPをレンタル提供(3年が基本)として初期費用を抑えた。「導入規模によるが、コントローラーを含めて自社導入する場合に比べると、かなりの価格優位性がある。半額以下で済むことも少なくない」(NTTデータの町田課長代理)とする。

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