スマートフォンの機能アップは日進月歩である。2012年後半に登場したモデルでは、無線LANルーターとしても使えるテザリング機能が全機種に付いた。CPUや通信の高速化も進み、画面操作も一層快適になった。これらの新体験を手に入れたいという買い替えの動機は、パソコンより強いといえそうだ。

 スマートフォンは端末代が5万~8万円で、利用契約期間は端末の割賦販売を前提とした2年が主流になっている。このため、2年がたつのを待って、即座に機種変更するユーザーが多い。「従来の携帯電話端末では約3.5年だった平均使用年数が、スマートフォンに限ると契約期間と同じ約2年に縮まってきている」(ジーエフケー マーケティングサービス ジャパンの堤健一郎氏)という。

中古品売却の裏技も

図1●スマートフォンの買い替えは2年後が最適
スマートフォンを契約すると、約5万~8万円の本体を分割払いで購入することになる。機種変更の頻度が高いほど、最新機能を快適に使えるが、その購入金額はかさむことになる。ただし、端末代を分割払いで支払う2年間は通信料金の割引がある点を考慮すると、買い替え期間を2年から4年に延ばしても費用負担の総額は抑えにくい。図では、iPhoneのメモリー容量が最も小さい機種を選ぶ場合で年間コストを比べた。
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 スマートフォンを2年で買い替えるのは、ランニングコストを考えても合理的だ(図1)。例えば、ソフトバンクモバイルと「iPhone 4」の利用契約を交わしたユーザーが2年後に機種変更するケースを考えてみよう。iPhone 4の端末代金は約4万6000円。これを2年間かけて分割払いにすると、1年間で約2万3000円を支払うことになる。利用料金は、2年間適用される「月々割」を考慮すると、毎月約3800円。年間では約4万5400円だ。端末代と利用料金を足し合わせると、iPhone 4の使用コストは年額で約6万8500円かかったことになる。

 これに対して、「iPhone 4S」を使っていたユーザーが1年間で機種変更する場合はどうか。毎月の利用料金の負担は変わらないが、端末代金約4万6000円は1年間で支払うことになるので、使用コストは年額約9万1500円まで跳ね上がる。

図2●中古市場を活用して総費用を抑える
大黒屋秋葉原店における主な中古スマートフォンの売買価格。人気製品なら古くても値が落ちにくい。
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 もっとも、使っているスマートフォンが人気機種であれば、購入から2年たっていなくても機種変更コストを抑えることが可能。中古市場を活用するのだ(図2)。例えば、中古品売買を全国規模で手掛ける大黒屋は、iPhone 4S(16GB)を最大2万円で買い取る。ここで回収した金額を充てれば負担は軽くなる。

 では、「iPhone 3G」を4年間使い続けた場合には、年間コストが安くなるだろうか。1年当たりの端末コストは1万7300円に減るが、月々割の適用は2年間で終わる。こうした条件を勘案すると、4年の平均年間コストは約7万4200円となる。iPhone 3Gだけ端末価格が約7万円と高いこともあって、iPhone 4から2年で変更する場合より少し高くつく。これなら2年ごとに買い替える方が良さそうだ。

 なお、以上のような使用コストに関する事情は、端末がAndroid搭載機の場合でも、大まかには同じだ。

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