パソコンの価格は年々、安くなっている。調査会社のジーエフケーがまとめた統計によると、ノートパソコンの平均実勢価格は2008年の12万1000円に対して2012年は7万9000円と、4年間で4万円以上も下がった(図1)。「近年は、平均実勢価格が1年間で1割下がる傾向」(ジーエフケー マーケティングサービス ジャパンの佐竹俊介氏)という。パソコン買い替えのハードルは、確実に下がっている。
価格サイクルを理解する
では、買うタイミングに「ベスト」はあるのだろうか。月単位での実勢価格の推移を、NECの売れ筋ノート「LaVie S LS150」シリーズを例に見てみよう(図2)。
通常、大手メーカーのパソコンは春・夏・秋冬と年3回、新製品が発売される。LaVie S LS150の場合、発売時にはいつも9万円前後の価格が付けられるが、発売から1カ月たつと、いきなり1万~2万円も価格が下がる。その後も月を追うごとに緩やかに下がり続け、次のシーズンのモデルが発売される頃には6万円を切る。売れ残った在庫はさらに値下げされ、最終的には5万円以下で処分される。こうした価格推移のパターンは、多くの機種に共通だ。
このデータが示しているのは、「発売から1カ月間は様子を見て、価格が下がり始めてから買うのが合理的」ということだ。実は、新製品の出始めの時期、店頭には前期のモデルがまだ残っていることが多い。販売店・メーカーはそうしたモデルを在庫処分してから、本格的に新製品を売り出すことになる。それまで、価格は下がらないのだ。
一方で、値下がりを待ちすぎるのも考えもの。人気機種は次期モデルを待たずに売り切れてしまうこともあるので、欲しい機種が決まっているなら、発売から2~3カ月目までに確実に購入するのがよいだろう。