Windows系サーバーOSの最新版であるWindows Server 2012は、従来版に比べて180個以上の機能が追加もしくは強化されている。いち早く性能検証の結果を報告するほか、新版で注目すべき新機能について、Windows技術に詳しいインターネットイニシアティブの山内氏に解説してもらう。
Windows系サーバーOSの新版である「Windows Server 2012」の出荷が2012年9月に始まった。米Microsoftは、仮想環境やクラウド向けを中心に性能や機能を大幅に強化したという。
Windows Server 2012(以下、新版)は、Windows Server 2008 R2(同、従来版)に比べて180個以上もの機能が追加もしくは強化された(表1)。実現可能なことが広がったほか、性能や可用性、拡張性が高まっている。なお、新版はx86CPU用の64ビット版のみであり、Itaniumプロセッサーはサポートされなくなった。
新版の性能面の検証実験をいち早く実施したので、その結果を報告する。その後、特に注目すべき新機能を具体的に紹介していく。
読み出し性能の高速化を確認
新版と従来版の物理サーバー、および新版の仮想サーバー(仮想化機能「Hyper-V 3.0」を用いたサーバー環境)におけるCPU性能とディスクアクセス性能を検証した。新版の仮想サーバーについては、従来の仮想ディスクイメージ形式である「VHD」(最大2Tバイト)に加え、新たに加わった大容量対応の「VHDX」(最大64Tバイト)も検証の対象とした。
まず、CPUの処理性能を調べた(図1)。新版を搭載した物理サーバーのCPU性能は、従来版より2%低下した。性能差はごくわずかであり、実質的なCPU性能はほぼ同等と考えてよいだろう。仮想サーバーのCPU性能は、物理サーバーと大差なかった。