RFPのリクエストに合わせて、アプレッソのEAIツール「DataSpider」を利用したソリューションを提案する（表1）。システム形態は、対象システムの重要性を考慮し、安全性を重視したオンプレミス型を選択した。長期的視点での投資対効果では、SaaSモデルとの違いは少ないと考える。
DataSpiderのアダプター群を活用して、Active Directory（AD）やSAP、そしてSalesforce CRMを連携させる（図1）。本件以外のアプリケーションやクラウドサービスについてもアダプターを用意。また要件によっては、既存アダプターだけでなくSDK（ソフトウエア開発キット）による開発が可能なため、接続先やデータフォーマットの変更が発生した場合には、柔軟に対処できる。この際の設定は、Webベースのアプリケーション「DataSpider Studio for Web」を利用し、ブラウザーからスクリプトを開発/運用すればよい。基本的にプログラミングは必要ない。
運用面ではリモート監視を推奨
本件では、注文情報や販売情報といったクリティカルなデータを、高い頻度でSAPに書き込む仕様となっている。さらに、これらの情報をトリガーとして生産～物流などの後工程をSCＭが管理する仕組みと考えられ、EAIの障害はビジネス上の大きな損害を生み出す可能性が高い。このため提案は、リアルタイム性とRAS（信頼性・可用性・保守/サービス性）を重視した構成とした。
サーバーの対応OSはWindows、Red Hat Enterprise Linux、Solaris、HP-UX、AIX。サーバーは、DataSpiderの「ホットバックアップライセンス」を利用したクラスター構成。障害時には自動的にフェールオーバーする。障害時のプロセスの再起動は必要になるが、フォールトトレラントサーバーやノンストップを提唱するサーバーなど特定のハードウエアに依存させず、かつデータや処理数の増加に合わせてハードウエアを拡張しやすい構成とする。
システムの監視については、トラブルなどを通知する機能はないが、アプリケーションログを電子メールで担当者に送ることはできる。提案としては、TISによるリモート監視を推奨。リモート監視では、死活監視、リソース監視、メッセージ監視、プロセス監視などを実施する。障害を検知した場合には、1次対応する。要望に応じて当社の技術者常駐による保守支援サービスも提供可能（別途見積もり）。
見積金額は、システム機器/導入・保守が616万円。ソフトウエア/開発・導入は、各種ライセンス料からなり、例えばDataSpider Servista Basicが300万円、ホットバックアップライセンスが250万円、SAPアダプタが250万円、Salesforceアダプタが90万円、Active Directoryアダプタが80万円。