システムインテグレーターやリセラーといったIT業界のパートナー企業に製品ベンダーや通信サービス事業者などについての評価を聞く「パートナー満足度調査」は21回目を迎えた。「サーバー」などのハードウエアと「データベースソフト」「グループウエア」などのソフトウエア、「ネットワークサービス」など合計16部門の満足度を調べた。
「RPAソフト」部門を新設
2019年は新たに「RPAソフト」部門を設けた。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)はPCによる事務作業などの操作を自動化する技術である。人手不足の中、金融機関を中心に導入が増えている。複雑なプログラミングが不要なため、ITの専門家でなくても活用しやすい。
RPA部門の新設と並行して、一部の部門を見直した。「サーバー」部門を設け、前回まで「PCサーバー」「エンタープライズサーバー」の2つに分けていた部門をまとめた。「法人向けデスクトップPC」部門と「法人向けノートPC」部門は「法人向けPC」部門に統合した。「仮想化ソフト」部門は「サーバー仮想化ソフト」部門に改変して製品ジャンルを絞り、仮想化ソフトに含めていた仮想デスクトップを分離。新たに設けた「テレワーク支援」部門に組み込んだ。そのほか企業内のコミュニケーションツールとして利用が進むビジネスチャット製品を「グループウエア」部門に加えた。
調査は日経BPコンサルティングの協力を得た(調査概要は67ページ参照)。製品の機能や性能、信頼性、拡張性などについて聞いた「製品」、価格設定や価格体系に関する「価格競争力」など12項目に基づいて全16部門をそれぞれ評価した。
調査は「サーバー」「法人向けPC」「テレワーク支援」「RPAソフト」「サーバー仮想化ソフト」の各部門を除き、前回と比較可能な11部門中、7部門で首位が入れ替わった。昨年は8部門の首位が入れ替わっており激戦が続いている。
ITベンダーの中で強さが際立ったのが富士通である。「サーバー」「法人向けPC」「ストレージ」「ネットワークサービス」「データベースソフト」「統合運用管理ソフト(クライアント系)」の6部門で1位を獲得し、2018年の4部門1位から躍進した。
新設した「RPAソフト」部門はNTTデータが首位を獲得した。「ネットワーク機器」部門ではヤマハが7年ぶりに首位へ返り咲いた。前回新設した「クラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)」部門はアマゾン ウェブ サービスが連覇した。