以前私は,「Windows XP Service Pack 2」(以下,XP SP2)を試した感想と,安全にXPを設定するための米国家安全保障局(NSA:National Security Agency)のガイドラインについて書いた(該当記事)。どちらも,多くの管理者が重大に思っている話題だったと思う。今回は追加情報を入手したので紹介しよう。 XP SP2を現場で試した SP2では安定性の問題は全くなかった。私のパソコン1台に限った話だから全く科学的なテストではない。しかし,その出張の間,XP SP2の新しい無線LANの特徴と,インターネット接続ファイアウオール(ICF:Internet Connection Firewall。Microsoftは2004年半ばのSP2の出荷時には単に「Windows Firewall」と改称する予定)を実際に試してみた。 無線LANの機能が大幅に改良された こういうネットワークにおいて,Windows XPはうまく動いており,無線LANの有効範囲内でWindows XP搭載のノート・パソコンを起動すれば,自動的に接続されてちゃんと仕事ができるようになっていた。もちろん,セキュリティ機能が低いため,ユーザーのマシンを侵入の危険にさらすことになった。 (訳注:WEPの欠陥は2000年には指摘されていて,すぐにWi-Fi AllianceによるWPA:Wi-Fi Protected Accessの標準化が始まったが,Wi-Fi AllianceによるWPA対応機器の基準策定と認証開始は2003年にずれこんだ。Windows XP用にWPA対応の追加モジュールが提供されたのは,2003年春のことである。) Microsoftは2002年秋に出荷されたXP SP1に,安全性の低いネットワークに接続するたびにいちいちユーザーの承諾を要求するブロックを追加した。このセキュリティ機能の拡張は,ほとんどのビジネス現場では適切なものだ。しかし,大抵の家庭内の無線LANは安全性が低いままなので,一般消費者の多くは何度も承諾を求めてくるのにはちょっと閉口したと思う。 XP SP2でMicrosoftは無線LANの機能を再度見直した。まず最初の変更は,UI(ユーザー・インターフェース)だ。無線LANの管理と接続操作のために新しく親しみやすくしている。新しいUIは,従来の無線LANのダイアログ画面に比べて,はるかに使いやすくなった。特にユーザーが多数の無線LANがあるエリア内にいる場合に,格段に使いやすくなっている。 新しいUIでは,各無線LANに「セキュリティのないワイヤレス・ネットワーク」とか「セキュリティの有効なワイヤレス・ネットワーク」といったラベルをつけて表示する。セキュリティを備えた無線LAN上では,あなたのパソコンにネットワーク・キーが必要だというメッセージが表示される。このキーは要求されたときに入力する。さらに,無線LANの接続処理や,優先する無線LANを変更するのに要する詳細な情報を得るためのタスク・リストを提供する。 このリリースでの最大の変更は,無線LAN接続の設定が以前よりうまく組み込まれていることだ。安全でない無線LANに接続するため,一度OKを出すと,そのあとに同じネットワークに接続する場合,それ以上の承諾を求められなくなった。私の経験では,この機能はXP SP1では時々しか働かなかった。無線LAN全体のリストも,有効範囲にないネットワークまで表示することもなくなった。これは以前のバージョンにあったおかしな点だった。 Windows Firewallのマニュアル操作が便利 新しいWindows Firewallは,従来のICFよりもいくつか優れた点を備えており,ユーザーはそのファイアウオールを以前よりも,もっと使うようになるだろう。Windows Firewallは最初のバージョンにあったICFよりも,カスタマイズがはるかに容易になっている。また,商用のファイアウオール製品と同様に,あなたはどのアプリケーションがホームを呼び出しているのかを調べてから,どれを許すか決められる。企業から見てこの機能は集中管理しやすく非常に歓迎されるものだ。 もし,Windows Firewallの設定をマニュアルで行いたいなら,例外リストを使用する。例外リストは,外側からの接続を許すアプリケーションとサービスを定義しているものだ。 数日間使用したところ,[File and Print Sharing]や[ActiveSync]などのシステム・サービスのほかに,「Microsoft Virtual PC」「Windows Messenger」,米RealNetworksの「RealPlayer」といったプログラムについて警告を受け取った。便利なことに,あなたは手作業でリストにプログラムを追加でき,これらの設定が適用されるネットワーク接続を決められる。全般的に以前のバージョンに比べて目を見張るような改良が施されている。 NSAとセキュリティとXP 読者の何人かは,この記述の矛盾のほか,NSAのガイドラインに従うとセキュリティに関連するソフトウエアに互換性がなくなる可能性があることを指摘してくれた。なぜなら,多くのアプリケーションとサービスではうまく動くために,あえて特定の安全でない設定に依存しているからで,これはMicrosoftがTrustworthy Computingの改造の最中に取り組んでいた問題でもある。 前回,私がコンタクトしたMicrosoftの担当者は,同社が自社のセキュリティ・ガイド(下記参照)を策定するに当たり,「National Institute of Standards and Technology(NIST)」や「SANS Institute's Center for Internet Security(CIS)」と同様に,NSAとも密接に協力して作業を進めたことを強調している。 ■関連するWebサイトのURL |
続報・作り直されたWindows XP SP2ベータ
無線LAN機能に関する追加事項
あなたにお薦め
今日のピックアップ
-
マイナカード1500万枚が電子証明書切れに、ポイント特需から5年で迫る2つの混乱
-
日本の「能動的サイバー防御」は機能するのか、課題と展望を3人の識者が解説
-
変化・貪欲・大胆、Microsoftの50年史に見る強さの秘訣
-
ChromeにAmazonのパスキーを登録する、PINと生体認証の設定も忘れずに
-
女子大生がアプリ100本作成に挑戦、クラス図を何度も描き直しタップゲームができた
-
AIエージェントで開発者の仕事は消滅するのか、GitHubのCEOに聞いてみた
-
「iPhone 16e」の販売に注力する携帯各社、国内スマホ市場の多様性が失われる恐れ
-
冤罪被害者が富士通をついに提訴、英ポストオフィス事件で新展開
-
Gmailは5つのタブに受信メールを自動振り分け、複数のラベル付けでも整理できる
-
米IBMの幹部が直言、日本の最大リスクは塩漬けされている基幹系システム
-
X代替「テキストSNS」の覇権争い、難民が求めるのはバズりかほっこりか
-
65歳まで雇用確保義務化、相性のいい「シニア人材と生成AI」がDXを後押し
注目記事
おすすめのセミナー
-
DX時代のベーシックスキル
わかりやすい構成のeラーニングで、DX時代の働き方の基本となるビジネススキルを、先人の知見、先進...
-
2025年度 技術士 建設部門 第二次試験対策「個別指導」講座
本講座は、効率的な勉強を通じて、2025年度 技術士 建設部門 第二次試験合格を目指される方向け...
-
技術士 第二次試験対策 動画速修コース(オンラインサービス)
本コースは、“点が取れる論文の書き方”に絞った講義となっており、各問題の特徴から基本的な文章の書...
-
1級建築施工管理技士 第1次検定対策(オンラインサービス)
本サービスは、1次検定突破に向けて不可欠な知識を学べる「動画講義」と、実力と知識の定着を測るため...
-
1級土木施工管理技士 第1次検定対策(オンラインサービス)
本サービスは、オンラインで1次検定突破に向けて不可欠な基本知識を学べる「動画講義」と過去問を繰り...
-
CIO養成講座 【第37期】
業種を問わず活用できる内容、また、幅広い年代・様々なキャリアを持つ男女ビジネスパーソンが参加し、...
-
意思が伝わる、資料が見違える「ビジネス図解」4つのセオリー
インフォグラフィックスとは、形のない情報やデータなど伝えたいことを分かりやすい形で表現する技法で...
-
「なぜなぜ分析」演習付きセミナー実践編
このセミナーでは「抜け・漏れ」と「論理的飛躍」の無い再発防止策を推進できる現場に必須の人材を育成...
注目のイベント
-
ITモダナイゼーションSummit Web Live 2025
2025年 4月 9 日(水) 13:00~18:05/ 4月 10 日(木) 13:00~17:25(予定)
-
【4月10日】みずほFGやLINEヤフーが挑む、障害に強い運用高度化の仕組み
2025年4月10日
-
【4月10日】今さら聞けない仮想化基盤の基本、特徴やメリットを60分で学ぶ
2025年4月10日
-
DLC Server & Datacenter Summit (DSDS25) 東京ナイト
2025年 4月 21日(月) 17:00~19:10
-
【4月22日】大幅コスト増の「仮想化問題」、AI時代にITインフラをどう見直すか
-
AIトレンドFORUM 2025
2025年 4月 23日(水) 13:00~17:00(予定)
-
【4月23日】話題の能動的サイバー防御、従来のセキュリティ対策と何が違う?
2025年4月23日
-
【4月24日】押さえておきたい最新ハイパーバイザーの特徴、60分で徹底解説
2025年4月24日
-
【4月25日】NVIDIAと語る最先端のAIユースケース、展示コーナーで体験も可能
2025年 4月 25日
-
Cyber Identity Foresight 2025
2025年4月25日(金)16:00-18:00/5月21日(水)16:00-18:00
おすすめの書籍
-
ChatGPT &生成AI 実践活用ガイド
マイクロソフトの「Copilot」やグーグルの「Gemini」を含め、生成AIの最新動向や驚きの...
-
SDV革命 次世代自動車のロードマップ2040
自動運転で、自動車の価値は運転性能よりも、その中でいかに過ごすかにシフトする。その価値を追求する...
-
PCトラブル自力解決マニュアル
各種トラブルへの対策、復旧方法をまとめたのが本書です。市販No.1パソコン誌「日経PC21」に掲...
-
これ1冊で丸わかり 完全図解 最新セキュリティー
最新の攻撃手法や、セキュリティーの事例などを詳しく紹介しており、最近のセキュリティー関連で知って...
-
インフラメンテナンス大変革 老朽化の危機を救う建設DX
インフラの老朽化を克服すべく、メンテナンスに訪れている大変革とは。SIPのプロジェクトを取り仕切...
-
AWSクラウド設計完全ガイド
これから構築するシステムに対して、多種多様なAWSのサービスから最適なサービスを選定し、組み合わ...
日経BOOKプラスの新着記事
-
あとがき:『ある少年の夢 稲盛和夫はいかに人生を切り開いたか(日経ビジネス人文庫)』
-
はじめに:『あなたの会社は原価計算で損をする 復刻版(日経ビジネス人文庫)』
-
小林鷹之氏「アジアとの協調で世界に通用するルール形成力を培う」
-
キーエンス流・部下が育つ報連相 性弱説視点ですれ違いを防ぐ
-
「ど真ん中」を攻めよ ニップンのパスタ、森岡毅・刀提案の意外な勝ち筋
-
はじめに:『ソニー再生 変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」(日経ビジネス人文庫)』
-
手前みそですが、部長が全力でお薦めする「日経の本」2025春
-
知性を高めるためには「わからない」状態が必要
-
北野唯我×舟津昌平 麻雀が強い人は採用も強い
-
働かないし会社も辞めない「静かな退職」は絶対にダメ
日経クロステック Special
What's New
総合
- 世界500人の専門家の分析を製品に反映
- 自治体も導入!キントーンで叶う、AI活用
- 「サーバ―」部門満足度No.1企業に訊く
- 製造業DXを実現する具体的なシナリオとは
- 先進自治体が集まって徹底討論!自治体DX
- サービス利用型商材でインフラ関連業務改革
- これからのオンプレが目指すべき姿
- 生成AI時代を支えるサーバーの高い技術力
- DX時代 サーバー向けCPUの最新情報
- 現場状況をすぐ共有、パナソニックの新提案
- 「複合AI」に必要なITインフラを考える
- Salesforce≫求められるスキルは
- 決算短信の英文開示 見逃せない重要課題
- 日本の自動車産業を変革に導くAI活用とは
- アジャイル開発が生成AIの活用に有効
- AIエージェント時代での製造業のDX戦略
- ローカル5Gが企業の現場DXを加速させる
- CRA適用の影響と製造業の打つべき一手
- リコーのDX新拠点 その実力に迫る
- 増えるWebサイトが経営リスクに≫理由は
- 「負担」を抑えて、「安全」を得るには?
- 教育の質を高め、人材育成に寄与する新制度
- 「DXの伴走者」に聞く変革への戦略&方策
- 防災・減災が主流となる社会を実現するには
- GPUクラウドで自動運転の開発を効率化
- BIM活用促進ポータルサイト
- スピードと技術力で急成長のSIerの秘密
- 多角的アプローチによる顧客価値創造とは?
- 次世代コンタクトセンターの最新AI技術
- ERP導入で忘れがちな「大切なこと」とは
- 持続可能な社会への鍵は防災DXにあり
- ITインフラ課題解決の鍵を握るのは
- 新オフィスから新価値を創造・発信
- 今こそ「本気のAI活用」で企業競争力向上
- プリンター刷新でトータルコストを削減
- Suicaデータを活用する駅カルテとは!
- 対談 SDVとその未来を語る
- 製造業3社が企業を超えて業界課題に挑む!
- 業務のデジタル化の「障壁」と「解決策」
- 未来ビジネスを創るテクノロジーの力
- 大和ハウスのデジタル帳票基盤、導入の裏側
- 動画解説>AIからERPまで。DXの鍵は
- AIとIoTで建設現場はどう変わる?
- AIとデータの“主権”は自社で持つ
- ServiceNowでDXを加速≫方法は
- SAPプロジェクトの全体像をいかに描くか
- コンストラクション倶楽部