グループ・ポリシー管理コンソール(GPMC)の使い勝手を試す 続き

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図7●GPOの作成とリンク


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図8●GPOの編集
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図9●GPOの設定
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図10●GPOとGPOリンクの違い
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図11●GPO作成の権利の委任
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図12●GPOリンクの権利の委任

GPO作成や設定確認をグラフィカルに操作
 実際に,GPMCを使用して管理作業を行ってみよう。大まかな管理作業の流れは,(1)GPOの作成,(2)GPO管理の委任,(3)GPOのコピー,(4)GPOのインポート,(5)スクリプトによる管理――といったものである。

 最初の管理作業は,GPOの作成だ。従来GPOの作成は,[Active Directoryのユーザーとコンピュータ]の[グループポリシー]タブで行っていた。ここではGPMCを使って作成する。

 GPMCを起動し,[フォレスト]と[ドメイン]のコンテナを展開して,GPOを作成したいOUをクリックして選択し(ここでは「Sales」というOU),右クリックで現れたメニューから[GPOの作成およびリンク]を選択する(図7)。するとダイアログ画面が現れるので,新しいGPOの名前を設定し,[OK]をクリックして閉じる。以上の手順でGPOを作成できる。

 GPMCのメイン画面の左枠でOUのアイコン(「Sales」)をクリックすると,右枠にこのOUにリンクしたGPOのショートカットのアイコンが一覧表示され,先ほど作成したものが追加されている。作成されたGPOの編集は,リストの中にあるGPOを右クリックして,現れたメニューから[編集]を選択する(図8)。すると従来方式と同様に,[グループポリシー オブジェクト エディタ]が起動するので,ここで編集作業を行う。

 GPOの設定を確認したければ,GPMCの左枠でGPOのアイコンをクリックする(ここでは「Office XP」)。右枠にGPOの設定画面が現れるので[設定]タブをクリックして切り替えると,図9のように,GPOの設定をグラフィカルに表示できる。

 なお,作成されたGPOは[グループポリシー オブジェクト]コンテナから編集することもできる。[グループポリシー オブジェクト]コンテナには,Active Directoryドメインに格納されているすべてのGPOが表示される。既に作成されているGPOを他のOUにリンクさせたい場合は,GPOを目的のOUにドラッグ&ドロップするだけでよい。

GPOとGPOリンクを分けて認識できるのでGPO管理の委任もスムーズ
 このように左側でサイトやOUといった管理対象を確認しながら,右側でリンクするGPOを設定していけるので操作が簡単である。GPOで定義した設定は,サイト,ドメイン,OUにリンクされることで適用される。Windows 2000まではGPOとGPOリンクは,あまり明確に区別されていなかったが,GPMCでは明確に区別されている。例えば,GPMCでは,GPOは[グループ ポリシー オブジェクト]コンテナに表示され,GPOリンクはサイト,ドメイン,OUの子ノードとしてショートカット・アイコンで表示される(図10)。

 このようにGPOとGPOリンクを明確に区別することで,管理の委任作業も非常に分かりやすくなる。具体的な例を考えて,GPO管理の委任を設定してみよう。

 例えば,社内の情報システム部門がGPOを作成して,各部署のシステム管理者が必要なGPOを自分のOUにリンクして使用するケースを考える。当然,情報システム部門にはGPO作成の権利が,各部署の管理者にはGPOのリンクの権利が必要である。Windows 2000では,GPO作成の権利は[Group Policy Creator Owners]グループが持っており,GPOリンクの権利は,各OUで制御の委任ウィザードを実行することで与えていた。

 GPMCでは,[グループ ポリシー オブジェクト]コンテナの[委任]タブを利用して,GPOを作成するアクセス許可を明示的にグループまたはユーザーに与えられる。この機能を利用すれば,そのドメイン以外のユーザーやグループに対しても,GPO作成の権利を与えることが可能だ(図11)。また,各OUに対してのGPOのリンクのアクセス許可も,OUのプロパティの[委任]タブを使用して簡単に設定できる(図12)。