ドメイン間でGPOをコピーできる ところが,別のドメインで同じGPOの設定を引き継ごうとしても,Windows 2000では管理者が新たに,一からGPOを作成する必要があった。GPMCでは,GPOをコピーできるので,簡単に設定できる。 ここでは具体的に「Example.com」ドメインの「OfficeXP」というGPOを,「Sub.Example.com」にコピーする操作をやってみる。 6番に出てきた移行テーブルとは,異なるドメインにGPOをコピーするときに,ドメイン固有のグループが使用されていたり,特定のファイル・サーバーが指定されていたりする場合に,それを適切な値に変換するファイルである。「移行テーブル・エディタ」は「%programfiles%\gpmc\mtedit.exe」に格納されている。これで新たに移行テーブルを作成したり,編集したりすることも可能だ。 GPOのコピーで注意したいことが2つある。1つはWMIフィルタに関することだ。WMIフィルタは,GPOを適用する対象を選別するときに使うが,図16右の画面中の説明にもあるように,WMIフィルタは異なるドメインのGPOにリンクできない。従って,ドメインを超えたGPOのコピーでは,WMIフィルタへのリンクは保持されないのだ。もう1つは,フォレスト間をまたがるGPOのコピーに関することだ。フォレスト間が適切な信頼関係を結んでおり,GPMCを実行するユーザーが両方のフォレストのドメインを管理できるよう権限を設定しておけば,フォレストをまたがったGPOのコピーも同じように実行できる。 GPOのインポートはバックアップ経由で行う インポート作業は,いきなりあるGPOから別のGPOに行うことはできない。いったんバックアップを作成し,そこからインポートする。そのため最初は,既存のGPOをバックアップする作業を行う。 バックアップしたGPOは,一意なIDが付けられて保存される。信頼関係のないドメインにGPOの設定を転送するには,このバックアップ・データをインポートするという作業を行う。バックアップされたデータを,インポートしたいnikkeibp.co.jpドメインからアクセスできる場所にコピーしておく。続けて行うインポート作業は次のようになる。 インポートされたGPOをGPMCで確認してみると,きちんと設定が反映されていた。このように,バックアップとインポートの機能を使用すれば,どのような構成でも簡単に設定を移行できる。 GPMCウィザードの途中で,セキュリティ・プリンシパルとUNCパスを聞かれたように,テスト環境から実務環境へとGPOを移行するような場合は,セキュリティ・グループやUNC(Universal Naming Convention)パスなどが異なることが多い。GPMCのウィザードでは,そのようなドメイン固有の設定を発見すると,移行テーブルを指定するページを表示してくれる。しかし,移行が必要な項目の詳細までは表示してくれないため,管理者がGPOを調査して移行テーブルを書く必要がある。移行テーブルの作成には,独自の編集ツールが用意されているため,それを使用する。このように移行テーブルを管理者が作成するようなケースは,手間がかかるところだ。 なお,間違ってGPOを削除してしまったような場合は,GPOを復元できる。この場合は,以前のGPOのGUID(Global Unique ID)やアクセス許可,WMIフィルタのリンクなどを保持したままGPOを復元してくれる。 |
グループ・ポリシー管理コンソール(GPMC)の使い勝手を試す p3
統合されたGUIで大幅に操作性が向上
GPOとGPOリンクの区別が明確になった
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