テリー・マイヤーソン氏インタビュー 続き

コラボレーション市場におけるExchangeの位置付けについて

――コラボレーション・ソフトは以前グループウエア・ソフトと呼ばれていましたが,製品の位置付けに変化があるのでしょうか?

[マイヤーソン] 5年前にグループの生産性を上げる唯一のサーバー製品はExchangeでした。現在ではいくつものサーバー製品を提供しています。これが一番大きな変化です。今ではProject Server,SharePoint Portal Server,Live Communication Serverもあります。これらがExchangeに加えて生産性向上に役立ちます。



7月のTech・Ed 2003 YOKOHAMAで基調講演を行ったテリー・マイヤーソン氏

――他のコラボレーション・ソフトの中でのExchangeの位置付けはどのようなものでしょうか?ドキュメントの共有では,SPSとExchangeで重なる部分があると思いますが,Exchangeならではの特徴はどの辺にありますか?

[マイヤーソン] 情報を共有する方法には,いろいろな方法があると思います。しかし,正しいツールを使ってそれをやることが重要です。例えば,何千人というユーザーに対してドキュメントを公開するときに,一番よりやり方はSPSを使うことです。数人程度でドキュメントを共有する場合,いつでもどこでもオフラインでも共有できることが重要ですので,そのときはExchangeの利用価値が高いと思います。

 プッシュとプルという言い方ができると思います。Exchangeはドキュメントを必要な人に対してプッシュするということが容易です。SPSはドキュメントを多くの人たちが引っ張ってくるという方法での共有が得意です。ですから実際に情報をどのように,だれと共有するかでインフォメーション・ワーカーが決めてもらえればよいと思います。

――コラボレーション・ソフトの市場に,Oracleなどが参入しています。また,IBMがノーツ/ドミノをバージョンアップして対抗しています。Exchangeの強みはどこにありますか?

[マイヤーソン] 先ほどもExchange Server 2003の特徴のところで述べましたが,エンドユーザーにとっての生産性,それにエンドユーザーのエクスペリエンスを考えますと,エンドユーザーにとってはExchangeがより良いと思います。モビリティの観点からも,Webアクセスの観点からもそう言えると思います。

 さらにオペレーション・コストが利点です。コストには,ネットワーク,ヘルプデスク,サーバー,トレーニングなどのコストも入ります。こうした様々なコストの節約が可能になります。これを堅牢なシステムで実現できることが強みです。新参者Oracleのようなところも,本当に顧客のコストを節約できるようになるには,いろいろと学ばねばならないことがあると思います。

――最後にちょっと細かい質問をします。Exchange 2000 Serverの機能強化はもう終わったのでしょうか。以前はサービス・パックで細かい機能追加を行っていました。

[マイヤーソン] Exchange 2000サービス・パックは今後,新しい機能を付け加えることでなくて品質を上げる方向で投入する計画です。新しい機能はExchange Server 2003に入っていきます。