5月14日に発売予定のVirtual PC 2004日本語版(関連記事)が,MSDNのオペレーティング・システム・サブスクリプション以上の会員向けに,MSDN Subscriber Downloadsからダウンロード可能になっている。

 Virtual PCは,実機で動作するWindows 2000/XP(ホストOSと呼ぶ)上の1つのウインドウ内で,PC AT互換機をエミュレートするソフト。その仮想的なPC AT互換機(仮想マシン)上では,x86向けのOSが,実機で動作しているOSとは独立して動作する。仮想マシン上で動作するOSを「ゲストOS」と呼ぶ。

 例えばService Packを適用したWindows XP Professionalと適用前のXP Professional,Windows 98とWindows 2000など,異なるバージョンやService PackのWindowsを1台のPC上に用意し,同時に動作させられる。仮想マシン上のOSでは,実機と同様に各種アプリケーションが動作する。しかも,仮想マシン上のOSやアプリケーションがクラッシュしても,ホストOSには影響が及ばない。そのため,開発途中のソフトウエアのテストに適している。

 通常は,ゲストOSとして動作させるOSにも,実機と同様,1つのインストールごと1ライセンスが必要である。だが,MSDN会員には,ソフトウエアの開発/テスト目的に限られるが,Windowsごとに10ライセンスが与えられる。さらに,今では入手が困難になったMS-DOS,Windows 3.1,Windows 98,Windows NT 4.0などの旧OSも,MSDNを通じて入手可能だ。

 MSDNは1年ごとの会員制サービスで,全部で5種類の購読レベル(サブスクリプション)がある。オペレーティング・システム・サブスクリプションはそのうちの下から2番目のレベルで,Windows XPやWindows Server 2003などのOSとMSDNライブラリ(開発者向けのオンライン・ドキュメント)が配られる。価格は9万4800円,マイクロソフト製開発ツールなどのユーザーに対する優待価格は5万9800円(いずれも推定小売価格)。ただし,EclipseやJava 2 SDKなど無償で入手可能な開発ツールのユーザーにも優待価格が適用されるので,事実上だれでも5万9800円で購入でき,Virtual PC 2004と各種Windowsをそれぞれ10ライセンスずつ手に入れられる。ただし,前述の通り,MSDNで得られるWindowsのライセンスはプログラムの開発/テスト用途に限られる。

(山口 哲弘=日経Windowsプロ)